事業承継引継ぎ補助金を活用するための申請枠や要件を解説。申請サポート承ります。

兵庫県西宮市/神戸市、大阪府で事業承継引継ぎ補助金などの補助金申請に強いカミーユ行政書士事務所です。

当事務所では京都府、東京都、福岡県、神奈川県、千葉県など大阪や兵庫以外の様々な地区の事業承継引継ぎ補助金の申請サポートを行っております。

ZOOMなどのリモートで全国対応を行っていますので安心してお問い合わせ下さい。

目次

事業承継引継ぎ補助金とは?

事業承継引継ぎ補助金は、中小企業者による事業承継や事業再編、M&A(企業買収や合併)に伴う取り組みを支援するために、これにかかる経費の一部を補助する制度です。

この補助金は、事業承継を促進し、我が国の経済活性化を図ることを目的としています。

「経営革新事業」……事業承継・M&A後に、新しい商品の開発やサービスの提供、設備投資や販路開拓などの経営革新を行う際に、それに伴う経費の一部が補助されます。

補助対象者に応じて「創業支援型」「経営者交代型」「M&A型」に分類され、いずれも後継者が補助対象者となります。

「専門家活用事業」……M&Aにより経営資源を他者に引き継ぐ(売り手支援型)、または他者から譲り受ける際(買い手支援型)に、ファイナンシャルアドバイザー(FA)や仲介にかかる費用、デューデリジェンスなど、専門家活用にかかる経費の一部を補助する制度です。

「廃業・再チャレンジ事業」……事業の整理や再出発を支援するもので、廃業に伴う在庫の廃棄や解体工事、法的手続きに関する費用などを対象に、事業を清算し、新たな挑戦に備えるための経費を補助します。

これにより、スムーズな事業の終結と新たな事業の再スタートを支援します。

参考:事業承継引継ぎ補助金事務局HP

以下でこの3つの補助事業の枠の解説をしていきたいと思います。

経営革新事業とは?

「経営革新事業」(経営革新枠)とは、事業承継やM&Aなどをきっかけに経営を始める者のための、新しい店舗や設備のための費用、マーケティング調査など諸々の事業費のための補助金です。

承継者(後継者)・被承継者(先代)は、法人・個人事業主のいずれでも構わず、親族内承継や従業員承継、M&Aによる事業再編のいずれも適用対象となります。

事業承継の方法によって、申請区分がⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型の3つに分かれます。

【Ⅰ型】創業支援類型には、法人や個人事業主から経営資源(設備、従業員、顧客等)を承継すること、【Ⅱ型】経営者交代類型・【Ⅲ型】M&A類型には、後継者には経営などに関する一定の実績や知識を有することが求められます。

「補助率」と「補助上限額」については、申請者の状況や取り組みによって変わります。

まず「補助率」は、物価高の影響等により営業利益率が低下している、直近決算期の営業利益または経常利益が赤字であるなど、いくつかの条件のうち1つにあてはまれば3分の2が適用されます。

続いて「補助上限額」については、一定の賃上げ要件を満たすことで800万円になるしくみです。

ただし「600万円超800万円以下」の部分の補助率は2分の1になります。

経営革新枠は対象者ごとに、創業支援型(Ⅰ類)・経営者交代型(Ⅱ類)・M&A型(Ⅲ類)に分かれていますが、どのような要件か見ていきたいと思います。

創業支援型(Ⅰ類)

創業支援型(Ⅰ類)は、以下すべての要件を満たす方を対象とした類型です。

  • 事業承継対象期間内(2019年11月23日から2024年11月22日)の法人(中小企業者)設立、もしくは個人事業主としての開業
  • 創業にあたり、廃業を予定している方から株式譲渡や事業譲渡などで、経営資源(設備、従業員、顧客など)の引き継ぎを受ける

経営者交代型(Ⅱ類)

経営者交代型(Ⅱ類)は、以下すべての要件を満たす方を対象とした類型です。

  • 親族内承継や従業員承継などの事業承継(事業再生を伴うものを含む)
  • 産業競争力強化法にもとづく認定市区町村または認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者など、経営に関して一定の実績や知識を有している者である

M&A型(Ⅲ類)

M&A型(Ⅲ類)は、以下すべての要件を満たす方を対象とした類型です。

  • 事業再編・事業統合などのM&A
  • 産業競争力強化法にもとづく認定市区町村または認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者など、経営に関して一定の実績や知識を有している者である

補助金の対象となる経費

経営革新枠の対象となる経費は以下の通りです。

  • 店舗などの借入費
  • 設備費
  • 原材料費
  • 産業財産権などの関連経費
  • 謝金
  • 旅費
  • マーケティング調査費
  • 会場借料費
  • 外注費
  • 委託費

また、廃業・再チャレンジ申請と併用申請した場合は、以下の経費も補助金の対象となります。

  • 廃業支援費
  • 在庫廃棄費
  • 解体費
  • 原状回復費
  • リースの解約費
  • 移転、移設費用(創業支援型とM&A型のみ対象)

ただし、補助対象経費となるためには以下3つの条件を満たし、かつ事務局から必要で適切と認められる必要があります。

  • 使用目的が補助対象事業に必要と明確に特定できる
  • 補助事業期間内に契約や発注支払いを行う
  • 実績報告で提出する証拠書類により金額や支払いなどが確認できる

専門家活用事業とは?

「専門家活用事業」(専門家活用枠)とは、M&Aで専門家を活用した際の費用を補助する事業であり、買い手(Ⅰ型)と売り手(Ⅱ型)の各々が申請できる補助金です。

補助対象となる経費は、専門家に対する謝金や旅費など幅広いです。

ただし、「M&A支援機関登録制度」に登録された事業者への支払いしか補助対象にならないものもあります。

例えば、FA業務や仲介業務にかかる相談料や成功報酬等などの費用がこれに該当します。

【Ⅱ型】売り手支援類型の補助率については、物価高の影響等により営業利益率が低下している、直近決算期の営業利益または経常利益が赤字であるといった条件のいずれかにあてはまれば3分の2が適用されます。

その他、専門家活用事業の申請には、主に以下の条件を満たす必要があります。

・事業再編や事業統合が行われること

株式や経営資源などの売買によって事業再編や事業統合が行われる必要があります。

グループ内の事業再編や親族間の事業承継は、この条件を満たさない事例として掲げられています。

・地域経済をけん引すること

事業再編や事業統合によって、地域経済をけん引する事業が営まれる見込みがあることが求められます。

・買い手は経営革新も必要

買い手側が申請する場合は、上記の条件に加えてシナジーを活かした経営革新等を行う見込みがあることも求められます。

また専門家活用枠は対象者ごとに、買い手支援型(Ⅰ型)と売り手支援型(Ⅱ型)に分かれています。

買い手支援型(Ⅰ型)

買い手支援型(Ⅰ型)は、事業再編や事業統合にともない経営資源を譲り受ける予定の中小企業や個人などで、以下すべての要件を満たす方を対象とした類型です。

  • 事業再編や事業統合にともない経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新を行うことが見込まれる
  • 事業再編や事業統合にともない経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体をけん引する事業を行うことが見込まれる

売り手支援型(Ⅱ型)

売り手支援型(Ⅱ型)は、事業再編や事業統合にともない自社が有する経営資源を譲り渡す予定の中小企業や個人などで、以下すべての要件を満たす方を対象とした類型です。

  • 地域の雇用をはじめとする地域経済全体をけん引する事業を行っている
  • 事業再編や事業統合にともない、地域経済全体をけん引する事業が第三者により継続されることが見込まれる

補助金の対象となる経費

専門家活用枠の対象となる経費は以下の通りです。

  • 謝金
  • 旅費
  • 外注費
  • 委託費
  • システム利用料
  • 保険料

また、廃業・再チャレンジ申請と併用申請した場合は、以下の経費も補助金の対象となります。

  • 廃業支援費
  • 在庫廃棄費
  • 解体費
  • 原状回復費
  • リースの解約費
  • 移転・移設費用

ただし、補助対象経費となるためには以下3つの条件を満たし、かつ事務局から必要で適切と認められる必要があります。

  • 使用目的が補助対象事業に必要と明確に特定できる
  • 補助事業期間内に契約や発注支払いを行う
  • 実績報告で提出する証拠書類により金額や支払いなどが確認できる

廃業・再チャレンジ事業とは?

「廃業・再チャレンジ事業」(廃業・再チャレンジ枠)とは、既存事業の廃業費を補助する事業であり、承継者と被承継者のいずれにも申請のチャンスがあります。

ただし、「廃業」をするのみでは申請できず、「再チャレンジ」を伴うか、「経営革新事業」または「専門家活用事業」と併用申請する必要があります。

つまり、「廃業」と他の事業を併用し、「経営革新事業」や「専門家活用事業」に廃業費を上乗せする形で併用申請するか、「廃業+再チャレンジ」で「廃業・再チャレンジ事業」として単独申請をするかの2通りの申請方法があることになります。

廃業・再チャレンジ枠も対象者ごとに、併用申請型と再チャレンジ申請型にわかれています。

併用申請型

併用申請型は、経営革新枠および専門家活用枠と併用申請できる類型です。

以下のいずれかに該当する事業を対象にしています。

  • 会社自体を廃業するために、廃業登記や在庫を処分、建物・設備の解体、原状回復を行う事業
  • 事業の一部を廃業(事業撤退)するために、廃業登記や在庫の処分、建物・設備の解体、原状回復を行う事業

再チャレンジ申請型

再チャレンジ申請型は、会社自体を廃業するために、廃業登記や在庫の処分、建物・設備の解体、原状回復を行う事業が対象です。

M&Aで事業譲渡ができなかった中小企業の株主や個人事業主が、地域の需要創造・雇用創出に貢献するチャレンジをするための既存事業の廃業をサポートしてくれます。

補助金の対象となる経費

経営革新枠の対象となる経費は以下の通りです。

  • 廃業支援費
  • 在庫廃棄費
  • 解体費
  • 原状回復費
  • リースの解約費
  • 移転・移設費用(併用申請のみ対象)

他枠同様、補助対象経費となるためには以下3つの条件を満たし、かつ事務局から必要で適切と認められる必要があります。

  • 使用目的が補助対象事業に必要と明確に特定できる
  • 補助事業期間内に契約や発注支払いを行う
  • 実績報告で提出する証拠書類により金額や支払いなどが確認できる

いかがでしたか?

お聞きになりたいことがございましたらお気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。趣味は週7日の筋トレ。

目次