【2026年最新版】外国人医師・海外事業者が日本で一般社団法人クリニックを開設する方法|在留資格・非医師オーナー・管理医師まで

「韓国の医師が日本で美容クリニックを開設したい」

「中国の医師と日本で一般社団法人を作ってクリニックを開設したい」

「海外企業が日本の美容医療事業へ参入したい」

「外国人投資家が資金を出し、日本人医師を管理医師としてクリニックを開設できないか」

「外国人医師が一般社団法人の代表理事兼管理医師になることはできるか」

といったご相談が増えています。

結論からいうと、外国人医師や海外事業者が関係する一般社団法人で、日本にクリニックを開設すること自体は検討可能です。

しかし、このテーマでは少なくとも次の3つを分けて考える必要があります。

① 日本で医療行為を行えるか
② 日本に在留して経営・勤務できるか
③ 一般社団法人を開設者として診療所開設許可を取得できるか

です。

例えば韓国や中国で医師免許を取得していても、その外国医師免許だけで日本の一般的なクリニックにおいて医師として診療できるわけではありません。

厚生労働省は、外国の医学校を卒業した方や外国で医師免許を取得した方が日本で医師として働くためには、原則として日本の医師国家試験に合格し、日本の医師免許を取得する必要があると明示しています。

一方、海外事業者や外国人経営者が医師として診療するのではなく、

一般社団法人の社員・理事・代表理事として法人経営へ関与する

という方法は別問題です。

ただし一般社団法人クリニックでは、株式会社のように「資金を出した人が株主としてクリニックを所有する」という制度ではありません。

さらに2026年には、一般社団法人が開設する医療機関について非営利性の確認が大幅に強化され、営利法人との役員兼務、関連会社取引、一社員一議決権なども重要な確認事項になっています。

この記事では、外国人医師・海外企業・外国人投資家が日本で一般社団法人クリニックを開設する方法について、日本の医師免許、在留資格、一般社団法人、非医師代表理事、管理医師、MS法人、海外資本、診療所開設許可まで実務に沿って詳しく解説します。


目次

外国人医師・海外事業者でも日本でクリニック事業へ参入できる?

結論|国籍そのものより「何をする人なのか」が重要

まず、

外国人だからクリニック事業へ関与できない

という単純な制度ではありません。

重要なのは、その外国人が日本で、

  • 医師として診療するのか
  • 管理医師になるのか
  • 一般社団法人の代表理事になるのか
  • 経営だけ行うのか
  • 資金だけ提供するのか
  • MS法人のオーナーになるのか

という役割です。

それぞれ必要となる資格・在留資格・行政上の審査が異なります。

外国人関係のクリニック開設は4パターンに分けると分かりやすい

パターン医師として診療経営への関与主な論点
外国人医師+日本の医師免許○可能医師免許・在留資格・管理医師
外国人医師+外国免許のみ原則×○検討可能日本免許未取得・在留資格
外国人非医師経営者×○検討可能経営・管理・非営利性
海外企業・投資家×間接的に検討MS法人・社員・資金提供・実質支配

外国人医師だからといって、必ず管理医師になる必要もありません。

反対に、日本の医師免許を持っていない外国人医師を、

「海外では医師だから」

という理由だけで日本の管理医師にすることはできません。

外国の医師免許だけで日本の患者を診察できる?

原則|できない

ここは最も重要です。

例えば、

韓国医師免許
中国医師免許
米国医師免許

を持っていたとしても、それだけで通常の日本国内のクリニックにおいて独立して医療行為を行えるわけではありません。

厚生労働省は、外国医学校卒業者・外国医師免許取得者について、日本で医師として働くには日本の医師国家試験に合格して日本の医師免許を取得する必要があるとしています。

「海外の有名医師だから」は関係ない

例えば、

韓国で美容外科医として20年勤務
韓国で美容クリニックを10院経営
中国で著名な美容外科医

であったとしても、それだけで日本の医師免許に置き換わるわけではありません。

海外での医師としての実績

と、

日本で医療行為を行う資格

は分けて考える必要があります。

外国人医師が日本の医師免許を取得するまで

外国の医学校を卒業した方については、まず日本の医師国家試験を受けるための受験資格認定が問題になります。

厚生労働大臣が、日本の医学部卒業者と同等以上の学力・技能を有すると認定した場合には、医師国家試験の受験資格が認められます。

一方、直接の認定基準を満たさない場合でも、一定の場合には医師国家試験予備試験のルートがあります。予備試験合格後、1年以上の診療・公衆衛生に関する実地修練を経て医師国家試験を受験する仕組みです。

一般的には、

外国医学校卒業・外国医師免許

厚生労働省の受験資格認定

必要に応じ日本語診療能力調査

日本の医師国家試験

合格

医籍登録・日本の医師免許取得

という流れを考えます。

日本語能力も重要

外国医学校卒業者の受験資格認定では、日本語能力も重要です。

厚生労働省は、日本の中学校・高等学校を卒業していない申請者について、原則として日本語能力試験JLPT N1の認定証等を申請書類に求めています。

さらに受験資格認定では、日本語を用いて診察するために十分な能力があるかを確認する日本語診療能力調査があります。

したがって、

「通訳を付ければ日本語を全く話せなくても日本で通常の医師として診療できる」

という単純な制度ではありません。

外国人医師向けの特例制度はある?

ありますが、一般的なクリニック開業の代替制度ではありません。

臨床修練制度

外国医師が日本で医療技術等を学ぶ目的で来日する場合、厚生労働大臣の許可を受け、指定された病院等で指導医の実地の指導監督のもと臨床修練を行える制度があります。

しかしこれは、

「外国医師免許だけで日本に美容クリニックを開業できる制度」

ではありません。

研修・医療交流を目的とした特例です。

二国間協定

外国医師については二国間協定に基づく制度も存在します。

ただし対象国・対象医師・診療場所・患者等に条件があり、一般社団法人を設立して日本人患者を広く診療する通常のクリニック事業とは区別して考える必要があります。

日本の医師免許を取得すればすぐ管理医師になれる?

ここも注意が必要です。

日本で診療に従事する医師については臨床研修制度があり、管理医師についても医療法上の要件があります。

厚生労働省も、原則として診療に従事しようとする医師には臨床研修が必要であり、必要な臨床研修を修了していない場合は病院・診療所の管理者になれないと案内しています。

さらに保険診療を行う場合には、2026年4月から保険医療機関の管理者要件も導入されています。

したがって外国人医師を管理医師とする場合には、

日本医師免許

臨床研修等

保険診療なら保険医・保険医療機関管理者要件

まで確認する必要があります。

外国人医師の在留資格は「医療」が中心

日本で外国人が医師として勤務する場合に代表的なのが、在留資格**「医療」**です。

出入国在留管理庁は「医療」を、

医師・歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務

に従事する活動と位置付けています。

したがって、

外国人医師

日本医師免許

日本のクリニックで医師として勤務

という場合には「医療」が中心的な在留資格候補となります。

ただし、永住者、日本人の配偶者等、定住者など、活動制限の異なる在留資格をすでに持っている場合もあります。

国籍だけを見て在留資格を判断せず、現在の在留資格と実際の活動内容を確認することが必要です。

外国人医師が代表理事も兼ねる場合は?

ここでは在留資格の整理が特に重要です。

例えば、

外国人A医師
日本医師免許あり
管理医師
一般社団法人代表理事

とします。

A医師は、

医師として診療する活動

と、

一般社団法人の経営者として法人経営を行う活動

の両方を行います。

在留資格「医療」は医師として医療業務に従事する活動を対象とする一方、在留資格「経営・管理」は事業の経営・管理を行う活動を対象としています。

そのため、

「医療」の在留資格を持っているから、どの程度の法人経営活動でも当然できる

と考えることはおすすめできません。

実際の職務内容、診療と経営の比重、現在の在留資格等を踏まえて、出入国在留管理局等へ確認する必要があります。

非医師の外国人が一般社団法人の代表理事になれる?

一般社団法人法上、医師資格は必須ではない

一般社団法人の代表理事について、

医師でなければならない

という一般的な会社法上の要件はありません。

したがって、

代表理事=外国人非医師
管理医師=日本の医師免許を有する医師

というスキームは制度上検討できます。

ただし、

一般社団法人を登記できること

と、

その一般社団法人がクリニック開設許可を受けられること

は別問題です。

外国人非医師が日本で経営するなら「経営・管理」に注意

外国人が日本に居住して事業経営・管理に従事する場合、在留資格「経営・管理」が問題になることがあります。

そしてこの「経営・管理」は2025年10月16日に大幅に厳格化されました。

現在の主な基準には、

  • 1名以上の一定の常勤職員を雇用
  • 事業規模3,000万円以上
  • 経営者または常勤職員の一定の日本語能力
  • 経営者について3年以上の経営・管理経験、または関連分野等の修士相当以上の学位
  • 新規事業計画について専門的知識を有する者による確認

などがあります。

従来の「500万円で経営管理ビザ」は古い情報

インターネット上には、

「500万円を用意すれば経営管理ビザが取れる」

という解説が多数残っています。

しかし2025年10月16日の改正後は、従来の500万円基準ではありません。

出入国在留管理庁は現在、3,000万円以上の事業規模等を求めています。

外国人オーナー型のクリニックを設計する場合、この改正は非常に重要です。

【重要】一般社団法人には「資本金」がない

ここが一般社団法人クリニックと「経営・管理」の在留資格を組み合わせる際の非常に難しいポイントです。

一般社団法人には、株式会社のような資本金制度がありません。

また基金を設定することはできますが、基金は株式会社の資本金とは別制度です。

一方、出入国在留管理庁の2026年公表Q&Aでは、「経営・管理」の3,000万円基準について、法人の場合は株式会社の払込済資本金または合名・合資・合同会社の出資総額によって確認すると説明しています。

つまり、公表されている通常の説明は株式会社等の資本金・出資を前提としており、一般社団法人特有の基金等を3,000万円基準へどのように評価するかは、少なくともこの公表Q&Aから単純には読み取れません。

したがって、

「一般社団法人に基金3,000万円を入れれば経営・管理の要件を満たす」

と自己判断することはおすすめできません。

外国人代表理事について「経営・管理」を取得する前提で一般社団法人を利用する場合には、法人設立前に出入国在留管理局・入管業務を扱う専門家へ個別確認することが非常に重要です。

永住者等なら「経営・管理」を取らなくてもよい場合がある

外国人であっても、

  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者

など、身分・地位に基づく在留資格を持っている場合があります。

この場合、「経営・管理」のように活動内容を限定する就労資格とは在留活動の考え方が異なります。

したがって外国人オーナーについては、

最初に現在の在留資格を確認すること

が重要です。

「外国人=経営管理ビザが必要」と一律に判断するべきではありません。

海外企業は一般社団法人を「所有」できる?

一般社団法人には株式がない

例えば、

韓国法人A社
中国法人B社
シンガポール法人C社

が日本のクリニックへ投資したいとします。

一般社団法人には株式会社のような株式がありません。

したがって、

「海外企業が一般社団法人の株式100%を所有する」

という仕組みはありません。

これは海外企業による日本進出で非常に誤解されやすいポイントです。

法人が一般社団法人の「社員」になることはできる

一般社団法人の社員は株式会社の従業員ではなく、法人の構成員です。

法務省は、法人も一般社団法人の社員になることができると明示しています。

ただし、

社員=株主

ではありません。

一般社団法人では社員に剰余金・残余財産の分配を受ける権利を与えることはできません。

さらに医療機関を開設する一般社団法人では、2026年の非営利性確認により一社員一議決権が重要な要件になっています。

そのため、

「海外企業が1億円出すので議決権90%」

という株式会社的な設計は、一般社団法人クリニックには適しません。

「外国人オーナー」という表現自体に注意

一般社団法人クリニックについて、

「中国人オーナー」

「韓国企業オーナー」

という表現をすることがあります。

しかし法律上は、株式会社の株主と同じ意味のオーナーではありません。

実際には、

  • 一般社団法人の社員
  • 理事
  • 代表理事
  • 資金提供者
  • MS法人株主
  • 事業企画者

などの役割を組み合わせているケースです。

行政手続きでは、

「実質オーナーは誰か」ではなく、「誰がどの法的地位で何を決定しているか」

を具体的に整理する必要があります。

海外企業がクリニックへ資金を出すことはできる?

資金提供自体と、クリニックを支配することは分けて考えなければなりません。

例えば海外企業やその日本法人から、

一般社団法人へ貸付
基金拠出

などを検討するケースがあります。

しかし厚生労働省は、診療所開設許可審査において、開設申請者が実質的に医療機関の開設・経営の責任主体であるかを確認するとしています。

資金提供者等の第三者が医療機関経営を実質的に左右する仕組みになっていないかも重要です。

したがって、

海外企業が1億円提供

その条件として海外本社が
管理医師を決定
スタッフを採用・解雇
診療内容を決定
銀行口座を管理
すべての契約を承認

という形であれば問題になります。

海外企業→日本のMS法人→一般社団法人という方法

外国資本によるクリニック事業では、

海外企業

日本の株式会社等(MS法人)

一般社団法人クリニック

という構造を検討するケースがあります。

例えばMS法人が、

  • 広告
  • ITシステム
  • コールセンター
  • 採用支援
  • 不動産
  • 医療機器賃貸
  • バックオフィス

を担当する方法です。

海外企業が日本の株式会社へ出資することと、一般社団法人そのものを所有することは別です。

MS法人を使えば自由に利益を海外へ送れるわけではない

ここは特に注意してください。

一般社団法人からMS法人へ、

異常に高い家賃
過大な広告費
過大な経営コンサル料
売上連動型の多額の業務委託料

を支払うことによって、実質的にクリニック利益を海外企業へ還流する仕組みにすると、医療機関の非営利性の問題が生じます。

2026年の確認ポイントでは、利害関係のある営利法人との役員兼務や関係事業者取引を確認し、委託費等について財政規模に比して高額な費目がないかを確認することが示されています。

2026年以降、海外資本案件は「非営利性」がさらに重要

厚生労働省は2026年、一般社団法人が開設する医療機関について非営利性確認を強化しました。

特に重要なのが、

法人役員と営利法人との関係

です。

確認ポイントでは、

  • 医療機関と利害関係のある営利法人等の役職員を兼務している場合
  • 関係する特定営利法人の役員が一般社団法人の経営へ参画している場合

などについて、医療機関の非営利性へ影響していないかを財務・取引資料等で確認することとしています。

これは海外企業案件でも同じです。

海外親会社の社長を一般社団法人の代表理事にできる?

一般社団法人法だけを見れば、非医師だから代表理事になれないという制度ではありません。

しかし、その海外企業または日本MS法人が一般社団法人と多額の取引をする場合には別問題です。

例えば、

一般社団法人代表理事=A氏
海外企業CEO=A氏
日本MS法人代表取締役=A氏

さらに、

クリニック売上の40%をMS法人へ支払う

という構造なら、開設・経営の独立性や非営利性について強い説明が必要になります。

「登記できる」ことと「クリニック開設許可上問題ない」ことは分けて考えてください。

管理医師は誰にする?

外国人・海外企業案件でも、管理医師は非常に重要です。

一般社団法人が開設する診療所には、医療法上適切な管理者を置く必要があります。

管理医師は、

単に医師免許を貸す人ではありません。

医療機関の診療・医療安全・スタッフ監督等について実際の責任を負います。

さらに2026年の一般社団法人医療機関の非営利性確認では、管理者を一般社団法人の理事に加えていることも重要な確認ポイントとなっています。

したがって現在は、

管理医師=理事

を前提に法人構成を考えることが重要です。

外国人非医師代表理事+日本人管理医師は可能?

検討可能な構成です。

例えば、

社員:外国人A・日本人B
代表理事:外国人A
理事:外国人A・日本人管理医師C
管理医師:C医師

という形です。

しかし重要なのは、

A氏が非医師であることそのもの

より、

A氏とC医師の役割分担が適切か

です。

A氏が、

法人経営
財務
広告
事業企画

を担当することと、

C医師が、

診療方針
医学的判断
医療安全
医療従事者管理

に責任を持つことを明確にします。

管理医師を「雇われ名義院長」にしない

海外事業者案件で特に危険なのが、

「日本人医師には毎月○万円払うので、院長の名前だけ貸してほしい」

という考え方です。

例えば、

管理医師は週1回しか来ない
スタッフ人事は海外本社が決定
診療メニューも海外本社が決定
銀行口座はMS法人が管理
管理医師には決定権がない

のであれば、管理医師の実態や一般社団法人の経営主体性について問題となる可能性があります。

厚生労働省は、開設許可審査において書類だけでなく、開設者が実質的な責任主体であるかを確認することを求めています。

海外で行っている美容医療をそのまま日本へ持ち込める?

必ずしもできません。

例えば、

  • 海外で使用している医薬品
  • 未承認医療機器
  • 美容注射
  • 再生医療
  • 幹細胞治療
  • オンライン処方

などは、日本の医薬品医療機器法、再生医療等安全性確保法その他の規制を別途確認する必要があります。

海外で合法だから日本でも合法

とは限りません。

特に再生医療クリニックについては、診療所開設許可とは別に再生医療等安全性確保法への対応が問題になります。

外国人患者専門クリニックなら外国医師免許だけでよい?

原則としてそのようには考えません。

「患者が外国人だけ」

「診療言語が韓国語・中国語だけ」

という理由で、通常の日本国内における医業の資格規制がなくなるわけではありません。

外国医師に関する二国間協定等の特例はありますが、対象条件が限定された制度です。

一般的な美容クリニックを日本で開設する場合は、日本の医師免許を前提に考えるべきです。

一般社団法人クリニックの開設までの全体フロー

外国人・海外企業案件では、通常以上に早い段階からスキームを固めます。

STEP1|誰が何をするのか決める

まず、

  • 海外医師が日本で診療するのか
  • 日本人医師を管理医師にするのか
  • 外国人は代表理事になるのか
  • 海外企業はどこから資金提供するのか
  • MS法人を作るのか

を整理します。

STEP2|外国人医師の資格を確認

診療するのであれば、

  • 日本の医師免許
  • 臨床研修
  • 保険診療なら保険医登録等

を確認します。

外国免許しかなければ、日本で通常の医師として診療する前提では進めません。

STEP3|在留資格を確認

外国人本人について、

  • 永住者等か
  • 医療か
  • 経営・管理か
  • その他の在留資格か

を確認します。

法人設立後ではなく、法人設計の段階で確認することが重要です。

STEP4|一般社団法人の構成を決める

  • 社員
  • 理事
  • 代表理事
  • 管理医師

を決めます。

2026年以降は、

一社員一議決権
管理医師の理事就任
営利法人との兼務

を特に意識します。

STEP5|海外企業・MS法人との関係を整理

  • 資金貸付
  • 不動産
  • 医療機器
  • 広告
  • システム
  • 業務委託

について、契約主体と金額を決定します。

STEP6|保健所へ事前相談

一般社団法人を登記する前に、できれば、

定款案
社員・役員構成
管理医師
資金関係
MS法人関係

を管轄保健所へ相談します。

STEP7|一般社団法人設立

定款認証・設立登記を行います。

法務省によれば、一般社団法人は設立時社員2名以上で設立し、法人も社員になることができます。

STEP8|診療所開設許可申請

一般社団法人は法人開設者なので、診療所開設前に開設許可を取得します。

STEP9|開設許可取得・診療所開設

許可取得後、実際に診療所を開設し、必要な開設後の届出を行います。

STEP10|保険診療なら厚生局手続き

保険診療を行う場合には、

保険医療機関指定

保険医登録

必要な施設基準

を確認します。

外国人・海外企業案件で保健所が確認しやすいポイント

一般的には、次のような点を事前に整理しておくとよいでしょう。

項目確認内容
外国人医師日本医師免許があるか
在留資格実際の活動内容に適合するか
代表理事誰が実際に法人を経営するか
管理医師実勤務・権限・理事就任
社員誰が法人意思決定を行うか
海外企業一般社団法人との関係
MS法人役員兼務・取引内容
資金誰がいくら提供するか
銀行口座誰が管理するか
人事誰が採用・解雇を決定するか
賃料市場相場に比して適正か
委託料業務実態・価格が合理的か
利益海外企業へ不当に還流しないか

中国・韓国等の海外企業案件で提出資料が増える可能性

案件によっては、通常の一般社団法人クリニック開設書類に加え、

  • 海外企業の概要
  • 資本関係図
  • グループ会社一覧
  • 役員関係図
  • 資金提供契約
  • MS法人との契約書
  • 海外企業との関係説明
  • 外国人役員の履歴書
  • 在留カード等
  • 外国語書類の日本語訳

などを求められる可能性があります。

必要資料は自治体・案件によって異なるため、管轄行政庁へ確認してください。

外国人医師・海外事業者案件でよくある失敗

1. 海外の医師免許がそのまま日本で使えると思う

原則として、日本で医師として働くには日本の医師国家試験に合格し、日本の医師免許を取得する必要があります。

2. 一般社団法人を作れば外国人医師が診療できると思う

法人形態と医師資格は別問題です。

3. 500万円で経営管理ビザを取れると思う

2025年10月16日から基準が大きく変わっています。3,000万円規模、常勤職員、日本語能力、学歴・経験等を確認してください。

4. 一般社団法人の基金3,000万円=経営管理要件と決めつける

現在の入管庁公表資料は法人の場合の3,000万円基準を株式会社等の資本金・出資で説明しています。

一般社団法人は資本金制度がないため、法人設立前に個別確認が重要です。

5. 海外企業が一般社団法人の株式を取得できると思う

一般社団法人には株式がありません。

6. お金を多く出せば議決権も増えると思う

一般社団法人医療機関では2026年以降、一社員一議決権が明確な確認事項です。

7. 外国人オーナーが医療判断まで指示する

非医師経営者と管理医師の権限を分ける必要があります。

8. 日本人医師を名義だけの管理医師にする

管理医師は実際に医療機関を管理する責任者です。

9. MS法人へ利益の大部分を移す

過大な家賃・委託費等は非営利性の問題になり得ます。

10. 海外本社が銀行口座・人事・契約を全部支配する

一般社団法人が実質的な医療機関経営主体ではないと判断されるリスクがあります。

11. 法人設立後に保健所へ初めて相談する

外国人・海外企業案件では法人構成変更が大きな負担になるため、設立前相談をおすすめします。

外国人医師・海外事業者の一般社団法人クリニックに関するFAQ

Q1. 韓国の医師免許だけで日本の美容クリニックで診療できますか?

原則としてできません。

日本で医師として働くには、日本の医師国家試験に合格し、日本の医師免許を取得する必要があります。

Q2. 中国の医師免許でも同じですか?

基本的な考え方は同じです。

外国医学校卒業者・外国医師免許取得者として受験資格認定等の手続きを検討します。

Q3. 外国人医師が一般社団法人を設立できますか?

外国人であることだけを理由に一般社団法人設立が一律禁止される制度ではありません。

ただし日本で実際に活動する場合には在留資格等を別途確認する必要があります。

Q4. 外国人は一般社団法人の代表理事になれますか?

制度上検討できます。

ただし日本で経営活動を行うのであれば、在留資格と実際の職務内容の確認が重要です。

Q5. 外国人医師が管理医師になれますか?

日本の医師免許や管理者として必要な要件を満たしていれば検討できます。

外国の医師免許だけでは通常の管理医師にはできません。

Q6. 非医師の外国人を代表理事にできますか?

検討可能です。

ただし一般社団法人が実質的な経営主体であること、管理医師の権限、MS法人との関係、非営利性等が重要です。

Q7. 外国人代表理事には「経営・管理」が必要ですか?

現在の在留資格や実際の活動内容によります。

永住者等の場合もありますので一律ではありません。

Q8. 経営管理ビザは500万円あれば取れますか?

現在はその情報は古いです。

2025年10月16日の改正後、3,000万円以上の事業規模、常勤職員1名以上、日本語能力、経営経験・学位等の基準があります。

Q9. 一般社団法人に基金3,000万円を入れれば経営・管理を取れますか?

そのように断定できません。

入管庁の公表Q&Aでは法人について株式会社等の資本金・出資総額を基準として説明しており、資本金のない一般社団法人については事前の個別確認をおすすめします。

Q10. 海外企業が一般社団法人の社員になれますか?

一般論として、法人も一般社団法人の社員になることができます。

ただし医療機関の開設法人では、社員構成、議決権、営利法人との関係を含め非営利性を確認する必要があります。

Q11. 海外企業が一般社団法人を100%所有できますか?

一般社団法人には株式がないため、株式会社のような「100%株主」という所有関係はありません。

Q12. 出資額に応じて議決権を増やせますか?

一般社団法人クリニックでは、2026年の確認ポイントにより一社員一議決権が重要です。

Q13. 海外企業が開業資金を全額出せますか?

資金提供の方法自体は個別に検討できます。

しかし資金提供を理由として海外企業がクリニック経営を実質的に支配する仕組みにならないことが重要です。

Q14. 海外企業の日本法人をMS法人にできますか?

検討可能です。

ただし一般社団法人との取引価格・業務実態・役員兼務・利益還流等に注意してください。

Q15. MS法人が広告・受付・システムを全部担当できますか?

業務委託自体は検討できます。

ただし診療判断、人事の最終決定、法人財務等までMS法人が実質支配する構造は避ける必要があります。

Q16. 海外企業へ売上の30%をロイヤリティとして払えますか?

非常に慎重な検討が必要です。

取引内容・価格の合理性がなく、実質的に医療機関の利益を営利法人へ移転する構造であれば非営利性の問題になります。

Q17. 外国人医師を招へいして自由診療だけ担当してもらうなら外国免許でよいですか?

自由診療であっても日本国内で医業を行う以上、外国医師免許だけで通常の診療をできるとは考えません。

Q18. 外国人患者だけ診療する場合はどうですか?

患者の国籍だけを理由に、日本国内における医師資格規制がなくなるわけではありません。

Q19. 外国人医師がオンライン診療だけ行うなら外国免許でよいですか?

日本国内の医療機関から日本の患者へ医師として診療する前提なら、日本の医師資格・オンライン診療ルールを確認する必要があります。

「オンラインだから外国免許だけでよい」とは考えないでください。

Q20. 海外企業案件はいつ行政書士へ相談すればよいですか?

一般社団法人の設立・物件契約・管理医師契約・MS法人契約をする前をおすすめします。

外国人案件では医療法だけでなく在留資格、法人設計、海外資金、非営利性が相互に影響するためです。

まとめ|外国人医師・海外企業によるクリニック開設は「医師免許・在留資格・医療法」を分けて設計する

外国人医師・海外事業者が関係する一般社団法人で、日本にクリニックを開設することは検討可能です。

しかし最も重要なのは、

外国人だからできる・できない

という考え方ではありません。

まず、

① 誰が医療行為を行うのか

を確認します。

外国人医師が日本で通常の医師として診療するのであれば、原則として日本の医師国家試験に合格し、日本の医師免許を取得する必要があります。

次に、

② 誰が日本で法人経営をするのか

を確認します。

外国人経営者の場合は在留資格が重要であり、2025年10月16日以降、「経営・管理」の要件は大幅に厳格化されています。

特に一般社団法人には資本金制度がないため、外国人代表理事が「経営・管理」を取得するスキームについては、一般的な株式会社以上に慎重な事前確認が必要です。

そして、

③ 誰がクリニックの実質的な開設・経営責任主体なのか

を明確にします。

一般社団法人を開設者とするのであれば、

海外企業
MS法人
投資家

が実質的にクリニックを支配し、一般社団法人や管理医師が名義だけになってはいけません。

2026年以降は特に、

  • 一社員一議決権
  • 管理医師の法人運営への関与
  • 営利法人との役員兼務
  • 関係事業者との取引
  • MS法人への委託費
  • 利益還流

など、一般社団法人クリニックの実態面を確認する仕組みが強化されています。

したがって外国人・海外資本によるクリニック開設では、

海外企業

日本のMS法人

一般社団法人

管理医師

という組織図を作るだけでは不十分です。

誰が人事を決めるのか
誰が銀行口座を管理するのか
誰が診療判断をするのか
誰が契約を締結するのか
海外企業へいくら支払うのか

まで具体的に設計する必要があります。

外国人医師・海外事業者によるクリニック開設をご検討の方へ

外国人・海外企業が関係する一般社団法人クリニックでは、

  • 外国人医師の日本医師免許
  • 医師国家試験受験資格認定
  • 在留資格「医療」
  • 在留資格「経営・管理」
  • 一般社団法人設立
  • 社員・理事・代表理事
  • 非医師オーナー
  • 管理医師
  • 診療所開設許可
  • 海外企業からの資金提供
  • MS法人
  • 非営利性
  • 名義貸し・実質支配
  • 保険医療機関指定

まで、一体として設計する必要があります。

特に、

「外国人医師本人が日本で診療したい」
「海外企業が日本の美容医療事業へ参入したい」
「外国人を代表理事にしたい」
「海外資本のMS法人と一般社団法人を組み合わせたい」

という案件では、法人だけ先に設立すると、後から在留資格や診療所開設許可の面でスキームを作り直す可能性があります。

そのため、一般社団法人設立や物件契約より前に、医療法・在留資格・法人組織・資金スキームを一枚の組織図にして整理したうえで、管轄保健所・出入国在留管理局等への事前確認を行うことをおすすめします。


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この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、東証プライム上場企業を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。医療法人関係、補助金申請に専門特化。趣味は週7日の筋トレ。

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