【2026年最新版】医療法人の承継・M&A完全ガイド|社員・理事・理事長の変更、基金、出資持分、行政手続きまで

医療法人M&Aでは、

「譲渡契約を締結すれば終わり」

ではありません。

例えば、

  • 社員をいつ入れ替えるか
  • 理事をいつ変更するか
  • 新理事長は医師・歯科医師か
  • 管理医師を変更するか
  • 出資持分は誰が持っているか
  • 基金拠出者は誰か
  • 借入金が残っているか
  • 法人所有不動産があるか
  • 理事長個人所有物件を法人が借りていないか
  • MS法人との契約があるか
  • 保険医療機関指定に変更が生じないか

などを事前に整理する必要があります。

医療法人M&Aでは、契約・税務・会計だけでなく、医療行政手続きまで同時に確認することが非常に重要です。

目次

医療法人M&Aとは?

医療法人M&Aとは、広い意味では、既存の医療法人や、その医療法人が運営する病院・診療所等の事業を第三者へ承継することです。

大きく分けると、次の3つの方法があります。

① 医療法人そのものを承継する方法

既存法人を存続させながら、

  • 社員
  • 理事
  • 監事
  • 理事長

などを変更し、経営主体を新しい側へ移していく方法です。

② 診療所等の事業だけを譲渡する方法

医療法人そのものではなく、

  • 診療所
  • 医療機器
  • 従業員
  • 契約
  • 営業上の資産

等を別の医療法人等へ譲渡する方法です。

③ 医療法人同士で合併・分割する方法

一定の要件の下で、医療法人同士の合併や分割を利用する方法です。

厚生労働省も医療法人の合併・事業譲渡等について調査研究を行っており、医療法人の事業承継には複数の法的スキームが存在します。

医療法人M&Aと株式会社M&Aは何が違う?

最大の違いは、株式制度の有無です。

株式会社なら、

「売主が保有する株式を買主へ譲渡する」

という株式譲渡によって、会社そのものを承継できます。

一方、現在新しく設立される持分なし医療法人には株式がありません。

そのため、医療法人そのものを承継する場合には、

社員・役員等の人的構成を適切に変更していく

必要があります。

項目株式会社持分なし医療法人
株式ありなし
株主ありなし
最高意思決定株主総会社員総会
議決権株式数等による原則社員1人1票
経営者代表取締役等理事長
法人承継株式譲渡が代表的社員・役員変更等を組み合わせる
配当可能剰余金配当禁止

社団医療法人では、出資額等にかかわらず社員は原則1人1個の議決権を持つため、医療法人M&Aでは社員構成が非常に重要になります。

「持分あり医療法人」と「持分なし医療法人」の違い

医療法人M&Aを行うとき、最初に確認すべき項目の一つが、

その医療法人に出資持分があるかどうか

です。

持分あり医療法人とは?

出資持分のある医療法人とは、定款に、

  • 社員退社時の出資持分払戻し
  • 解散時の残余財産分配

等に関する規定を持つ医療法人です。

現在は新たに設立することはできませんが、平成19年4月1日より前から存在する法人については、経過措置型医療法人として現在も残っています。

持分なし医療法人とは?

持分なし医療法人は、定款に出資持分に関する定めを置かない社団医療法人です。

現在新設される医療法人は、この持分なし医療法人が基本です。

その一類型として、

基金拠出型医療法人

があります。

医療法人M&Aでは最初に定款を見る

医療法人M&Aを検討するときに、まず確認したいのが現行定款です。

定款を確認すると、

  • 持分あり/なし
  • 基金制度の有無
  • 社員の資格
  • 入社・退社
  • 理事定数
  • 監事定数
  • 理事長選任方法
  • 社員総会決議方法
  • 診療所
  • 主たる事務所

などが分かります。

医療法人M&Aでは、

登記事項証明書だけでは足りません。

社員は登記事項ではないため、登記簿だけを見ても現在の社員構成が分からないからです。

医療法人M&Aで「社員」が最重要なのはなぜ?

社団医療法人の最高意思決定機関は社員総会です。

理事・監事の選任・解任など、法人運営上の重要事項を社員総会で決定します。

したがって、

理事長だけを交代させれば医療法人の支配権が完全に移る

と考えるのは危険です。

理事長を変更するだけでは医療法人M&Aは完了しない

例えば、

  • 社員A
  • 社員B
  • 社員C

が旧オーナー側の人物のままで、理事長だけを新オーナー側の医師へ変更したとします。

この場合、社員総会の構成員は旧体制のままです。

社員総会は役員選任等に重要な権限を持つため、

理事長だけを変更して社員を旧体制に残す

ことには大きなリスクがあります。

医療法人そのものの承継を行う場合には、

社員構成まで含めたガバナンス移行

が極めて重要です。

医療法人M&Aでは社員をどう変更する?

社員の入社・退社は、定款に基づいて適切に行います。

具体的には、

  • 旧社員の退社
  • 新社員の入社
  • 社員総会承認
  • 社員名簿更新

などを行います。

社員変更は通常、株式会社の株主名簿変更のように法務局へ登記する手続きではありません。

しかし、医療法人の支配構造を考える上では非常に重要です。

社員の入替えは一気に行っていい?

契約・行政・法人運営を考えながら慎重に設計します。

例えば旧社員全員が一斉に退社した結果、

社員数が定款や行政運用上必要な人数を下回る

ことは避けなければなりません。

そのため、

新社員入社

旧社員退社

など、法人運営が途切れないよう順序を設計する場合があります。

理事・監事・理事長はどう変更する?

理事・監事はどう変更する?

医療法人の役員は社員総会等で選任します。

M&Aでは一般的に、

旧理事退任

新理事就任

監事変更

などを行います。

医療法人の理事長はどう変更する?

理事長は、原則として医師・歯科医師である理事から選出します。

そのため新しい承継者が理事長になる場合には、

① 理事へ就任

② 理事会等で理事長に選出

③ 理事長変更登記

④ 行政への届出

という流れを確認します。

理事長変更と管理医師変更は別

ここも重要です。

理事長=管理医師とは限りません。

例えば、

  • 法人理事長:A医師
  • 本院管理医師:B医師

という構成もあります。

したがって、医療法人M&Aで理事長が変更しても、診療所管理者を変更しないケースがあります。

逆に、理事長と管理医師を同時に変更する場合には、

医療法人側の役員変更

と、

診療所側の管理者変更

の両方を確認する必要があります。

医療法人M&Aで法人をそのまま承継するメリット

既存法人を維持したまま経営主体を変更する場合、

  • 法人格
  • 医療法人名
  • 法人契約
  • 法人資産
  • 従業員との雇用関係

等を継続しやすい点があります。

しかし、

法人の過去もそのまま引き継ぐ

ということでもあります。

「法人の過去を引き継ぐ」とは?

例えば、

  • 借入金
  • 未払金
  • リース
  • 税務リスク
  • 労務リスク
  • 医療事故リスク
  • 過去の行政手続き漏れ
  • 契約上の義務
  • MS法人との不適切な取引

などが残っている可能性があります。

そのため、医療法人M&Aでは**デューデリジェンス(DD)**が非常に重要です。

医療法人M&Aのデューデリジェンスで確認すること

法人関係

現行定款、過去の定款変更認可書、登記事項証明書、社員名簿、役員名簿、社員総会議事録、理事会議事録などを確認します。

財務関係

決算書、総勘定元帳、預金残高、借入金、リース、未払金、医業未収金などを確認します。

医療行政関係

診療所開設許可書・届出、保険医療機関指定通知、施設基準、X線関係、その他許認可を確認します。

契約関係

テナント賃貸借契約、医療機器リース、MS法人契約、業務委託契約、雇用契約などを確認します。

人事関係

管理医師、勤務医、看護師等、就業規則、未払残業等を確認します。

医療法人そのものを承継する場合、法人の資産だけでなく、債務、行政手続き、社員構成、持分・基金、MS法人との取引等も引き継ぐ可能性があります。
買主が確認すべき具体的な項目は「医療法人M&Aのデューデリジェンス完全ガイド」で詳しく解説しています。

定款と実態が一致しているか確認する

長年運営されている医療法人では、

現在の実態と定款が一致していない

ケースがあります。

例えば、

  • すでに廃止した診療所が定款に残っている
  • 主たる事務所が違う
  • 理事定数が古い
  • 医療法改正が反映されていない

などです。

M&A前に定款をクリーンな状態へ整えることをおすすめします。

持分あり医療法人のM&Aはどうする?

持分あり医療法人では、社員・役員の変更とは別に、

出資持分

について検討する必要があります。

例えば創業者理事長が出資持分を100%保有している場合、

  • 持分を譲渡する
  • 持分を放棄する
  • 持分払戻しを検討する
  • 持分なし医療法人へ移行する

など複数の選択肢があります。

持分あり医療法人についての記事はこちら。

出資持分は株式会社の株式と同じ?

同じではありません。

持分は財産的価値を持つ場合がありますが、

出資持分の割合=社員総会の議決権割合

ではありません。

例えば、

Aさん:出資持分90%
Bさん:出資持分5%
Cさん:出資持分5%

で、3人全員が社員なら、社員総会の議決権は原則として、

A:1票
B:1票
C:1票

です。

出資持分には相続税リスクもある

持分あり医療法人では、長年にわたって法人内部に利益が蓄積されることで、出資持分の評価額が高額になるケースがあります。

そのため承継時には、

M&A価格だけでなく、持分評価・譲渡所得・相続・贈与等

を税理士と十分に検討する必要があります。

持分なし医療法人はどうやって売る?

「持分なしなら売るものがないのでM&Aできないのでは?」

という質問があります。

しかし、持分なし医療法人でも承継は可能です。

その場合、

  • 社員入替え
  • 理事入替え
  • 監事変更
  • 理事長変更

などにより、法人の運営主体を新体制へ移行していきます。

ただし、株式会社のような「株式売買」と同一の法的構造ではありません。

対価をどのような契約構造で整理するかについては、

  • 役員退職金
  • 基金返還請求権
  • 個人所有不動産
  • 医療法人外の資産
  • 別法人株式

等も含め、弁護士・税理士等と個別設計する必要があります。

基金拠出型医療法人のM&Aはどうする?

基金拠出型医療法人では、

基金拠出者

という存在があります。

ただし、

基金拠出者=社員=理事長

とは限りません。

基金と法人の経営権は別です。

したがって承継時には、

  • 現在の基金拠出者
  • 基金残高
  • 基金返還請求権
  • 社員
  • 理事

をそれぞれ別々に確認します。

基金返還請求権とは?

基金は一定の条件を満たした場合、拠出者へ返還する仕組みがあります。

しかし、医療法人が自由なタイミングで返せるものではありません。

したがってM&Aのクロージング日に、

「売主の基金1,000万円をその場ですぐ返還する」

という設計が必ずできるとは限りません。

基金返還請求権についての記事はこちら。

基金返還請求権を第三者へ譲渡できる?

実際の医療法人承継では、基金そのものをその場で返還するのではなく、基金返還請求権の譲渡等を検討するケースがあります。

ただし、

  • 定款
  • 基金引受契約
  • 債権譲渡
  • 医療法人側の認識
  • 会計処理
  • 税務

等を確認する必要があります。

基金と医療法人の支配権は別

基金は財産関係、社員はガバナンス、理事・理事長は業務執行・代表というように、分けて整理することが重要です。

医療法人M&Aの代表的なクロージングイメージ

STEP1 基本合意

譲渡条件、価格、スケジュール、独占交渉、秘密保持等を整理します。

STEP2 デューデリジェンス

法人、財務、税務、法務、医療行政、人事などを調査します。

STEP3 最終契約

承継方法、クロージング条件、表明保証等を整理します。

STEP4 新社員入社

必要に応じて新社員を社員総会構成員に加えます。

STEP5 旧社員退社

適切な順序で旧社員を退社させます。

STEP6 新役員選任

新理事・監事を選任します。

STEP7 新理事長選任

新理事会等で理事長を変更します。

STEP8 行政・登記手続き

役員変更届、理事長変更登記、登記事項届、管理者変更等を行います。

社員・役員の総入替えは同じ日にできる?

制度上・定款上の手続きを正しく組めば、承継日を基準に複数の変更を連動させることは検討できます。

ただし、

「旧社員全員が先に退社してしまった」

「理事が全員辞任して代表者不在になった」

といった状態を作らないことが重要です。

クロージング時の議事録や就任・退任時刻まで意識して設計するケースもあります。

医療法人M&A後に必要となる行政・登記手続き

役員変更届

役員の就任・辞任・退任等があれば、所管行政庁への役員変更届を確認します。

理事長変更登記

理事長は医療法人の代表者であり登記事項です。

理事長を変更した場合には、法務局で変更登記を行います。

社員変更

社員は通常、医療法人の登記事項ではありません。

法人内で入社・退社手続き、社員総会、社員名簿等を適切に管理します。

診療所の開設許可

既存の同一医療法人が存続して社員・役員等だけを変更する場合と、診療所事業を別法人へ事業譲渡する場合とでは取扱いが大きく異なります。

保険医療機関指定

法人そのものを存続させる場合と、診療所を別法人へ譲渡する場合では取扱いが異なります。

M&A契約締結前に、保険診療を途切れさせず承継できるスキームか確認することが重要です。

施設基準

管理者、常勤医師、看護師、設備、診療体制等が変わることで施設基準へ影響する場合があります。

法人名・診療所名の変更

M&A後に法人名や診療所名を変更する場合には、定款変更、認可、登記、保健所、厚生局、施設基準等を一体で確認します。

不動産・MS法人・借入金を確認する

不動産が理事長個人所有の場合は要注意

医療法人を承継しても、旧理事長個人所有の診療所不動産まで自動的に買主のものになるわけではありません。

MS法人が関与している場合も確認する

MS法人が診療所不動産、医療機器、広告、業務委託等を担っている場合、医療法人だけを承継して重要な資産・契約が旧オーナー側へ残らないよう確認します。

借入金は誰が引き継ぐ?

医療法人そのものを承継する場合、原則として法人の借入金も法人内部に残ります。

旧理事長の個人保証はどうする?

個人保証解除、新理事長への保証切替、借換え等をクロージング条件として検討する場合があります。

医療法人M&Aの対価・退職金をどう考える?

医療法人M&Aで役員退職金は使える?

適正な役員退職金を検討することはありますが、

M&A対価をすべて役員退職金として払えばよい

というものではありません。

在任期間、最終報酬、功績、法人財務、社員総会決議、税務上の適正額等を確認します。

持分なし医療法人の「売却価格」は何の対価?

株式がないため、「医療法人の株式代金○億円」という単純な契約にはできません。

案件によって、

  • 基金返還請求権
  • 退職金
  • 個人所有不動産
  • MS法人株式
  • その他資産
  • 事業上の契約

等を含めて全体的な経済条件を設計することがあります。

医療法人M&Aで注意すべき「名義貸し」

実際の買主は株式会社なのに、形式上だけ医師を社員・理事長・管理医師として置き、営利法人が実質的にすべてを支配するような構造には注意が必要です。

人事・資金・契約関係を総合的に確認する必要があります。

医療法人M&Aでよくある失敗

よくある失敗① 理事長変更だけで終わらせる

社員構成まで確認する必要があります。

よくある失敗② 出資持分の有無を確認していない

古い法人には持分が残っていることがあります。現行定款を必ず確認します。

よくある失敗③ 基金と出資持分を混同する

基金返還請求権と出資持分は別の制度です。

よくある失敗④ 基金をクロージング日に必ず返還できると思っている

M&A契約上の支払スケジュールと医療法上の基金返還を混同しないことが重要です。

よくある失敗⑤ 管理医師変更を忘れる

理事長と院長を同時に変更する場合には、診療所管理者の手続きも確認します。

よくある失敗⑥ 保険医療機関指定への影響を確認していない

法人承継か事業譲渡かによって行政手続きが大きく異なります。

よくある失敗⑦ 不動産が法人所有だと思い込む

旧理事長個人やMS法人所有の場合があります。

よくある失敗⑧ 借入金・個人保証を確認していない

財務DDと金融機関との契約確認が必要です。

よくある失敗⑨ 過去の行政手続き漏れを確認していない

役員変更届、登記、定款変更、施設基準等の過去の手続きも確認します。

よくある失敗⑩ 税務・法務だけでM&Aを進める

医療法人M&Aには、通常の株式会社M&Aにはない医療法人行政の論点があります。

医療法人M&Aの売主側チェックリスト

定款、持分、基金、出資者・基金拠出者、社員、役員、理事長、管理医師、決算、預金、借入金、個人保証、不動産、医療機器、リース、MS法人、診療所許認可、保険医療機関指定、施設基準、従業員を整理します。

医療法人M&Aの買主側チェックリスト

特に、現行定款、社員、出資持分、基金、役員、行政手続き漏れ、借入金、偶発債務、不動産、MS法人、管理医師、医師・職員、保険診療、施設基準、クロージング後の社員・役員構成を確認します。

医療法人承継・M&Aに関するFAQ

Q1. 医療法人は売却できますか?

株式会社の株式売却と同じ仕組みではありませんが、社員・役員等の変更、持分・基金等の整理によって既存法人を第三者へ承継することは可能です。

Q2. 持分なし医療法人でもM&Aできますか?

可能です。社員、理事、監事、理事長等を適切に変更し、法人の運営主体を承継します。

Q3. 理事長を変更すれば医療法人を買ったことになりますか?

理事長変更だけでは不十分です。社員構成まで確認する必要があります。

Q4. 医療法人の社員とは株主ですか?

同じではありません。社員は社員総会を構成する法人の構成員です。

Q5. 出資持分90%なら議決権も90%ですか?

原則として違います。出資持分割合と社員総会議決権割合は比例しません。

Q6. 医療法人に持分があるかどうやって確認しますか?

まず現行定款を確認します。

Q7. 基金と出資持分は同じですか?

違います。基金拠出型医療法人は持分なし医療法人の一類型です。

Q8. 基金はM&A時に返してもらえますか?

一定の条件で返還可能ですが、自由に返還できるものではありません。

Q9. 社員は全員入れ替えられますか?

適切な手続きを行えば可能ですが、意思決定機関を一時的に欠くことのないよう順序を設計します。

Q10. 理事も全員変更できますか?

適切な社員総会手続き等によって変更できます。

Q11. 理事長変更は登記が必要ですか?

必要です。

Q12. 理事長が変わると保険医療機関指定を取り直しますか?

法人自体が同じ場合と、診療所を別法人へ事業譲渡する場合とでは取扱いが異なります。

Q13. 医療法人を買ったら借金も引き継ぎますか?

法人そのものを承継する場合、法人の債務は原則として法人に残ります。

Q14. 旧理事長の個人保証はどうなりますか?

自動的に外れるとは限りません。金融機関との調整が必要です。

Q15. 医療法人の不動産もM&Aで取得できますか?

法人所有不動産なら法人資産として残ります。個人・MS法人所有の場合は別途検討が必要です。

Q16. 医療法人M&A後に法人名を変更できますか?

可能ですが、定款変更・認可・登記等を確認します。

Q17. 診療所名も変更できますか?

可能ですが、定款・保健所・厚生局・施設基準等を確認します。

Q18. 管理医師も同時に変更できますか?

可能ですが、管理者変更と理事変更等を適切に連動させます。

Q19. MS法人も一緒に買った方がいいですか?

案件によります。MS法人への依存関係を確認して判断します。

Q20. 医療法人M&Aは行政書士に相談できますか?

社員・役員変更、理事長変更、定款変更、診療所関係等の行政手続きは、医療法人業務を取り扱う行政書士への相談対象になります。M&A契約の法的助言は弁護士、税務は税理士等との連携が重要です。

医療法人を譲りたい・承継したい先生へ

医療法人M&Aは、

M&A契約+医療法人行政手続き

の両方を成立させて初めて完成します。

誰が社員・理事・理事長になるのか、持分・基金をどうするのか、診療所や保険診療をどう継続するのかまで設計することが重要です。

医療法人を買いたい先生へ

既存医療法人には、過去の債務、医療事故、税務、労務、行政手続き漏れ、不適切なMS法人取引などが潜んでいる可能性があります。

必ず十分なデューデリジェンスを行ってください。

医療法人承継・M&Aの行政手続きをサポートします

当事務所では、

医療法人M&A前の行政DD

定款・社員・役員確認

社員入退社

理事・監事変更

理事長変更

登記関係の連携

管理医師変更

定款変更

診療所関係手続き

保険医療機関指定

施設基準

まで、M&A前後の医療行政手続きをサポートしています。

【医療法人承継・M&Aについて相談する】

まとめ|医療法人M&Aは「社員・役員・財産・行政手続き」を一体で考える

医療法人M&Aで本当に大切なのは、

「契約書にサインすること」ではありません。

「クロージング後も診療を止めることなく、新体制で適法に医療法人を運営できる状態を作ること」

です。

社員、理事、理事長、持分、基金、診療所、保険医療機関指定まで一体として設計することが、医療法人承継・M&Aを成功させる重要なポイントです。

参考となる公的情報・一次情報

本記事は、医療法、厚生労働省の医療法人関係通知・資料、東京都・大阪府等の医療法人関係資料を基に、2026年8月時点の制度を整理しています。

※医療法人M&Aの法的スキーム、M&A契約、税務、出資持分評価、基金返還請求権の譲渡等は個別案件によって大きく異なります。具体的な案件では、弁護士、税理士、司法書士、行政書士等の専門家による個別検討が必要です。

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この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、東証プライム上場企業を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。医療法人関係、補助金申請に専門特化。趣味は週7日の筋トレ。

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