【2026年最新版】医療法人の役員任期・重任完全ガイド|理事・監事・理事長の2年任期、社員総会・理事会・登記まで

「医療法人の理事は何年ごとに再任手続きが必要ですか?」

「同じ理事がそのまま続ける場合でも社員総会は必要ですか?」

「理事長が同じ人でも2年ごとに登記しなければならないのでしょうか?」

「監事も2年ごとに重任手続きが必要ですか?」

「役員任期が切れていることに数年後になって気付きました。どうすればいいですか?」

「理事長重任の登記をしていませんでした。問題になりますか?」

医療法人を設立した後、非常に忘れられやすい手続きの一つが、理事・監事・理事長の任期管理と重任手続きです。

結論からいうと、医療法人の役員である理事・監事の任期は2年を超えることができません。

ただし、同じ人物を再び役員に選任することは可能です。

厚生労働省は、医療法人の役員について、

「役員の任期は、2年を超えることはできない。ただし、再任を妨げない」

というルールを明示しています。

つまり、

「理事は一度就任すれば辞めるまでずっと理事」

ではありません。

例えば2026年10月1日に理事へ就任し、定款上の任期が2年であれば、原則として2028年に任期満了を迎えます。

そして同じ先生が引き続き理事を務める場合であっても、

任期満了

再任(重任)

という手続きを行う必要があります。

特に注意したいのが理事長です。

理事長が同じ人物のままであっても、

「人が変わらないから何もしなくてよい」

わけではありません。

東京都は2026年の医療法人制度資料で、

理事長重任は2年ごと

と明示し、任期満了による重任について役員変更届と登記事項の届出が必要であることを案内しています。

大阪府も、任期満了による重任について役員変更届が必要であり、理事長の重任については理事会議事録を提出するよう案内しています。

つまり医療法人では、

理事・監事の重任

理事長の再選出

理事長重任登記

行政庁への届出

という複数の手続きが連動します。

本記事では、医療法人・クリニック関係の行政手続きを専門的に取り扱う行政書士の立場から、

  • 医療法人役員の任期
  • 理事の任期
  • 監事の任期
  • 理事長の任期
  • 2年より短い任期にできるか
  • 重任とは何か
  • 再任との違い
  • 同じ人でも社員総会が必要か
  • 理事長重任時の理事会
  • 理事長重任登記
  • 役員変更届
  • 登記事項届
  • 任期満了日をどう計算するか
  • 補欠役員の任期
  • 任期切れを放置した場合
  • M&A・事業承継時の任期
  • 分院長・管理医師である理事の任期

まで、2026年最新の制度を踏まえて詳しく解説します。



目次

医療法人の役員任期・重任について相談したい先生へ

医療法人の役員重任で最も多いのが、

「同じメンバーなので何もしていなかった」

というケースです。

例えば、

理事長:A医師
理事:B
理事:C
監事:D

という4名が、

2024年
2025年
2026年
2027年
2028年……

と全員同じだったとしても、

任期管理そのものがなくなるわけではありません。

役員の任期が2年であれば、原則として2年ごとに、

  • 役員の再任
  • 社員総会
  • 理事長の再選出
  • 必要な議事録
  • 役員変更届
  • 理事長重任登記
  • 登記事項届

を確認する必要があります。

「誰も変わっていないから変更届ではないだろう」

と思われやすいのですが、任期満了による重任も役員変更届の対象です。大阪府はその点を明確に案内しています。


医療法人の「役員」とは?

医療法人における役員とは、主に、

理事

と、

監事

をいいます。

社団医療法人では原則として、

  • 理事3名以上
  • 監事1名以上

を置くこととされています。

そして理事の中から理事長を選出します。

したがって、

理事長も「理事」という役員であることが前提

です。

厚生労働省は、医療法人の機関制度について、役員の任期は2年を超えることができないと明示しています。


医療法人の理事の任期は何年?

2年を超えることはできません。

医療法上、

役員の任期は2年を超えることができない

とされています。

大阪府も2025年9月更新の医療法人構成員に関する案内で、

「役員の任期は2年を超えることはできません。ただし再任(重任)は可能」

と明示しています。


必ず「2年間」にしなければならない?

重要なポイントです。

法律は、

「2年を超えることができない」

と定めています。

したがって、

2年が上限

です。

実際の任期は各医療法人の現行定款を確認する必要があります。

例えば定款で、

「役員の任期は2年とする」

と定めている医療法人が一般的です。

大阪府が2026年に公開している医療法人設立認可申請の定款作成例でも、

「役員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない」

という規定が採用されています。


理事長の任期も2年?

理事長について、

「理事とは別に理事長だけ4年間」

という考え方にはなりません。

理事長は理事の中から選出されますので、まず理事としての任期があります。

その理事としての任期を前提として理事長職を務めます。

したがって一般的には、

理事任期満了

理事として再任

理事会で再び理事長に選出

理事長重任

という流れになります。

東京都は2026年7月公表の医療法人制度資料で、

「理事長重任は2年ごと」

と具体的に案内しています。

理事長が任期満了を機に交代する場合には、単なる理事の重任とは異なり、新理事長の選任、代表者変更登記、行政への届出等を確認する必要があります。


理事長を交代する場合の手続きについては「医療法人の理事長変更完全ガイド」で詳しく解説しています。


監事の任期も2年?

はい。

医療法上の「役員」には理事だけでなく監事も含まれるため、監事についても任期は2年を超えることができません。

したがって、

理事3名は2年ごとに重任しているのに、

監事だけ10年前から何もしていない

という状態は適切ではありません。

監事についても任期管理が必要です。


「再任」と「重任」は何が違う?

実務では似た意味で使われますが、登記関係では**「重任」**という言葉をよく使用します。

例えば、

2026年9月30日任期満了

同じA医師が2026年10月1日から再び理事長

という場合に、

理事長重任

と表現します。

つまり、

同じ人物が任期満了後も続けて同じ役職へ就任する

という意味です。


同じ人が続投する場合でも手続きが必要?

必要です。

ここが最も重要です。

例えば、

2024年:

理事長A
理事B
理事C
監事D

2026年:

理事長A
理事B
理事C
監事D

で、誰も変わらなかったとしても、

任期満了による再任手続き

は必要です。

大阪府は、

任期満了に伴う重任の場合も役員変更届の提出が必要

と明示しています。


「変更がないのに役員変更届」が必要なの?

名称上分かりにくいところです。

しかし行政実務上は、

役員の任期満了→再任(重任)

も役員変更届の対象となります。

東京都も2026年資料で、

任期2年満了による重任は2年ごとに役員変更届を提出

と案内しています。


理事の重任には社員総会が必要?

社団医療法人では、理事・監事は社員総会で選任することが基本です。

したがって、任期満了後に同じ人物を理事・監事へ再任する場合にも、

社員総会で改めて役員を選任する

という手続きを行います。

「前回の社員総会で一度選んだから永久に理事」

ではありません。

任期が満了すれば、次の任期について改めて選任します。厚生労働省は、役員の任期を2年以内としつつ再任を認める制度を示しています。


理事長の重任には理事会も必要?

重要です。

理事長は理事の中から理事会で選出します。

そのため、

社員総会でA医師を理事へ再任

しただけでは、

A医師の理事長重任まで自動的に完成する

と考えない方がよいでしょう。

新しい任期の理事として再任された後、定款・医療法に基づき理事会で理事長を選出します。

大阪府は2026年6月現在、理事長の就任・重任について、

「理事長の就任、重任を承認した旨の理事会議事録」

を役員変更届の提出書類として明示しています。

さらに、

互選書は不可

と明記しています。


重任手続きの基本的な流れ

一般的な社団医療法人で役員全員を重任する場合、一例として次の流れになります。

STEP1 現行定款を確認する

まず、

  • 役員任期
  • 理事定数
  • 監事定数
  • 社員総会
  • 理事長選出方法

を確認します。


STEP2 現在の役員任期を確認する

  • 就任日
  • 前回重任日
  • 社員総会議事録
  • 理事会議事録
  • 登記事項証明書

を確認します。


STEP3 社員総会で理事・監事を再任する

次期任期について、

  • 理事
  • 監事

を選任します。


STEP4 役員が就任を承諾する

必要な就任関係書類を整えます。

自治体の最新様式・添付書類を確認します。


STEP5 新任期の理事による理事会を開催する

理事長を選出します。


STEP6 同じA医師を理事長へ再選出する

同じ人物なら「重任」となります。


STEP7 理事長重任登記

法務局で必要な登記を行います。


STEP8 役員変更届

所管行政庁へ役員重任を届け出ます。


STEP9 登記事項の届出

理事長重任登記後、所管行政庁へ登記事項関係の届出を行います。


理事長が同じでも登記が必要?

必要です。

ここも非常に忘れられやすいポイントです。

「住所も氏名も変わらない」

「同じ理事長が続投する」

としても、

任期満了→重任

という登記事項上の変更があります。

東京都は2026年資料で、

理事長重任は2年ごとに登記

と明示しています。

また、東京都の2026年版医療法人運営手引でも、登記事項に変更があった場合について、

理事長の任期満了による重任を含む

と明示しています。


理事・監事も法務局で登記する?

一般的な社団医療法人では、法人代表者である理事長が登記事項となります。

すべての理事・監事の氏名を株式会社の取締役のように登記する仕組みとは異なります。

一方、行政庁に対しては、

理事・監事の重任も含めた役員変更届

を行います。

つまり、

理事・監事 → 行政庁への役員変更届

理事長 → 役員変更届+代表者としての登記等

という違いがあります。


重任時に必要となる主な書類

自治体によって異なりますが、例えば大阪府の2026年6月現在の役員変更届では、

  • 役員変更届
  • 社員総会議事録
  • 理事会議事録
  • その他変更内容に応じた書類

等が案内されています。

特に理事会議事録については、

理事長の就任・重任を承認した旨

を記録する必要があります。

実際の提出時には必ず各自治体の最新必要書類一覧を確認してください。


理事長だけ重任して、理事はそのままでいい?

理事長以前に、理事自身の任期があります。

したがって、

「A理事長だけ2年ごとに重任」

「B理事・C理事は10年間そのまま」

という考え方にはなりません。

理事・監事全員について任期を確認します。


役員任期の起算日はいつ?

ここは各法人の定款、選任時の議事録、就任日等を確認する必要があります。

単純に、

設立認可日から2年

と決めつけないことが重要です。

実際には、

  • 設立時の役員就任日
  • 前回重任日
  • 途中就任
  • 補欠就任

等によって異なります。


「2年後の同じ日」が任期満了日?

これも定款と選任内容を確認します。

例えば定款が単純に、

「役員の任期は2年とする」

としているケースのほか、

役員の選任時期や決算・定時社員総会との関係を調整した規定が存在する場合もあります。

したがって、任期満了日を自己判断せず、

定款+前回社員総会議事録+登記

をセットで確認することをおすすめします。


なぜ任期満了日の管理が重要なの?

1日でも過ぎたら直ちに医療法人が消滅するわけではありません。

しかし、

役員選任手続きを放置

してよいわけではありません。

また理事長の重任登記を失念すると、登記上も適切な状態ではなくなります。

M&A・分院・定款変更等を行おうとした際に、

「過去の役員重任が処理されていません」

と判明することがあります。


任期満了した役員は即座に何の権限もなくなる?

医療法には重要な例外があります。

法または定款で定めた役員数が欠ける場合には、任期満了または辞任によって退任した役員は、

新しい役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する

という制度があります。

厚生労働省もこの点を明示しています。

これは法人の機関が突然不在になることを防ぐための仕組みです。


では任期切れを放置しても大丈夫?

いいえ。

後任就任まで権利義務を有する制度は、

役員任期を無期限に延長する制度

ではありません。

あくまで法人運営に空白を生じさせないための例外的な仕組みです。

速やかに適切な選任・重任手続きを行う必要があります。


「権利義務理事」とは?

任期満了または辞任したにもかかわらず、法定・定款上必要な役員数を欠くため、後任就任まで理事としての権利義務を有している状態を、実務上「権利義務理事」などと呼ぶことがあります。

監事についても同様の問題があります。

ただし、

最初から権利義務状態を利用して重任手続きをしない

という運用は避けるべきです。


理事が途中で辞任した場合、後任の任期はどうなる?

ここは必ず現行定款を確認してください。

例えば大阪府の2026年の定款作成例では、

補欠により就任した役員の任期は前任者の残任期間

とする規定が置かれています。

そのため、

理事Aの任期:

2026年10月1日~2028年9月30日

で、

Aが2027年3月に辞任し、

Bが補欠として就任する場合、

定款がこの規定ならBの任期は、

2028年9月30日まで

という設計になります。


補欠理事だけ2年間になるわけではない?

現行定款が「補欠役員は前任者の残任期間」と定めていれば、そのとおりです。

これを知らず、

途中就任者だけ別の任期管理

にすると、その後役員の任期がバラバラになる原因になります。

必ず定款を確認してください。


管理医師である理事にも2年任期がある?

あります。

医療法人が開設する病院・診療所等の管理者は、原則として理事に加えます。

したがって、

分院長・管理医師として理事になっている医師

についても、理事としての任期管理が必要です。

「管理医師を続けているから自動的に理事も継続」

とは考えない方がよいでしょう。


管理医師を辞めたら理事も辞める?

これも重要です。

厚生労働省は、医療法人が開設する病院等の管理者たる理事が管理者の職を退いたときは、原則として理事の職を失うとしています。ただし、改めて理事へ再任することは妨げられません。

したがって、

分院長変更

では、

管理医師変更だけでなく理事変更も確認する必要があります。


理事長と本院管理医師を兼ねている場合

例えば、

A医師:

理事
理事長
本院管理医師

という場合です。

A医師の理事任期が満了する際には、

理事としての重任

を行い、

その後、

理事長として再選出

します。

本院管理医師として引き続き勤務するからといって、役員重任が不要になるわけではありません。


監事だけ別の任期にしてもいい?

定款・選任日によって、結果的に任期満了時期が異なるケースはあり得ます。

ただし運営実務としては、役員任期を把握しやすくするため、

理事・監事の任期サイクルをそろえて管理

している医療法人も多いです。

途中就任や退任があった場合には、現行定款を確認して個別に管理してください。


理事長変更と重任の違い

例えば、

重任

理事長A

次期も理事長A

変更

理事長A

理事長B

です。

両方とも理事長に関する登記・行政手続きが必要ですが、提出資料は異なる場合があります。

社員と理事・監事は制度上異なる立場であるため、役員任期の考え方をそのまま社員へ当てはめることはできません。

社員の入社・退社については、定款に基づく別の手続きとして確認する必要があります。


社員の変更方法については「医療法人の社員変更完全ガイド」で詳しく解説しています。


理事長重任の場合も医師免許証は毎回必要?

必要書類は自治体によって異なります。

例えば大阪府の2026年6月の役員変更届一覧では、新たに理事長へ就任する場合などについて医師・歯科医師免許証写しを求める一方、重任など変更類型によって必要書類が区分されています。

そのため、

前回提出した書類一式をそのままコピーして提出

するのではなく、最新の必要書類一覧を確認してください。


理事長重任登記は司法書士へ依頼できる?

できます。

理事長重任登記は司法書士業務の領域です。

医療法人行政手続きを行政書士が担当し、

  • 社員総会
  • 理事会
  • 役員変更届

等を整えた上で、

理事長重任登記を司法書士と連携

して進める形があります。


役員変更届はいつ提出する?

所管自治体の期限を確認してください。

大阪府は、役員変更が生じた場合に遅滞なく役員変更届を提出するよう案内しています。さらに、任期満了に伴う重任の場合も対象です。

東京都も、任期満了による重任を含む役員変更について遅滞なく届け出る仕組みを案内しています。


理事長重任登記後にも届出が必要?

必要です。

東京都では、登記事項に変更があった場合、

理事長の任期満了による重任を含めて登記を行い、その後登記事項の届出を提出

するよう案内しています。

つまり、

役員変更届

だけではありません。

理事長重任については、

登記+登記事項届

も確認します。


2年ごとに何をするか一覧

分かりやすくまとめると、一般的には次のようになります。

手続き理事監事理事長
任期確認
社員総会で再任理事として○
理事会で選出
役員変更届
法務局で代表者重任登記
登記事項届

実際の手続きは法人の定款・所管自治体によって確認してください。


役員重任と定款変更は別

役員が同じ人物で重任するだけなら、

通常、定款変更を行うものではありません。

定款には個々の役員氏名ではなく、

  • 理事数
  • 監事数
  • 任期

等が規定されています。

したがって、

理事A→理事Aの重任

で定款を書き換えるわけではありません。


理事定数を同時に変更するなら定款変更

例えば、

現在:

理事3名以上5名以内

から、

理事3名以上7名以内

へ変更する場合には、

役員重任とは別に定款変更

が必要です。

分院増設と同時に役員重任時期を迎える場合などは、まとめてスケジュールを検討することがあります。


重任時期と分院開設が重なる場合

例えば、

2027年4月:分院開設予定

2027年5月:全役員任期満了

なら、

新分院管理医師の理事就任と既存役員の重任が近接します。

この場合、

  • 分院管理医師の理事追加
  • 既存理事の重任
  • 理事定数
  • 定款変更

を別々に何度も処理するより、全体スケジュールを整理した方が合理的な場合があります。

分院長・管理医師が医療法人の理事を兼ねている場合、その医師の退職時には管理医師変更だけでなく、理事の退任・後任就任や役員変更届等が必要になることがあります。


分院長退職時の一連の手続きについては「医療法人の分院長変更完全ガイド」で詳しく解説しています。


M&A直前に役員任期が満了する場合

これも非常に重要です。

例えば、

M&Aクロージング:2027年10月1日

既存役員任期満了:2027年9月30日

というケースです。

この場合、

旧役員を重任して翌日全員辞任させるのか

あるいは、

新体制への役員変更と任期満了をどう連動させるのか

を検討する必要があります。

M&Aクロージング書類を作る前に任期を確認してください。


「どうせM&Aで辞めるから重任しなくていい」は危険

M&A予定があっても、

実際にクロージングするまでは現行法人を適法に運営しなければなりません。

クロージングが延期される可能性もあります。

そのため、

M&A予定を理由に役員任期を放置する

ことはおすすめできません。


親族承継でも任期を確認する

例えば、

父理事長→息子理事長

という承継を計画している場合、

父・母・息子など既存理事の任期がいつ満了するのかを確認します。

役員任期満了のタイミングに合わせて、

  • 新理事選任
  • 理事長交代
  • 社員変更

を行うことで手続きを整理できるケースがあります。


役員任期を忘れない管理方法

おすすめなのは、

設立・重任時点で次回期限をカレンダー登録すること

です。

最低限、

6か月前

次回重任の確認

3か月前

社員・役員体制の見直し

1~2か月前

社員総会・理事会資料準備

任期満了時

重任手続き

重任後

登記・届出

という管理をしておくと安心です。


医療法人の役員任期を一覧表で管理する

例えば、

氏名役職就任日任期満了予定次回手続き
A医師理事長・理事2026/10/12028年理事再任・理事長再選出・登記
B理事2026/10/12028年理事再任
C理事2026/10/12028年理事再任
D監事2026/10/12028年監事再任

という一覧を作っておくと管理しやすくなります。


「前回いつ重任したか分からない」場合は?

まず、

  1. 現行定款
  2. 履歴事項全部証明書
  3. 過去の役員変更届
  4. 社員総会議事録
  5. 理事会議事録
  6. 就任承諾書等

を確認します。

理事長については登記から一定の履歴を確認できます。

一方、理事・監事全員の履歴が登記だけで完全に分かるとは限らないため、法人内部資料と行政庁への過去届出を照合します。


数年間重任を忘れていた場合は?

自己判断で過去の日付の議事録を作成するのは避けてください。

まず、

  • 現在の定款
  • 当時の役員
  • 任期
  • 実際に社員総会・理事会を開催したか
  • 過去の届出
  • 登記状況

を確認します。

その上で、所管行政庁、司法書士等と連携して是正方法を検討します。


実際には決議していないのに過去の日付で議事録を作っていい?

いけません。

議事録は実際に行われた法人意思決定を記録するものです。

実際には開催・決議していない会議を、過去に開催したように作成することは適切ではありません。

任期切れが判明した場合には、現在の事実関係を整理して適法な是正方法を検討してください。


役員任期・重任でよくある失敗① 「同じ人だから手続き不要」

最も多い誤解です。

同じ人物でも任期満了後に続投するなら重任手続きが必要です。

大阪府は重任も役員変更届対象であることを明示しています。


よくある失敗② 理事長だけ重任する

理事長もまず理事です。

理事・監事全員の任期を確認してください。


よくある失敗③ 社員総会を開催しない

理事・監事の再任には社員総会での選任を適切に行います。


よくある失敗④ 理事長の理事会を忘れる

大阪府では理事長重任について理事会議事録を求めています。


よくある失敗⑤ 理事長重任登記を忘れる

同じ理事長でも重任登記が必要です。

東京都は「理事長重任は2年ごと」と明示しています。


よくある失敗⑥ 登記だけして役員変更届を出さない

医療法人所管行政庁への役員変更届も必要です。


よくある失敗⑦ 役員変更届だけ出して登記事項届を忘れる

理事長重任登記後は登記事項関係の届出も確認します。東京都は理事長任期満了による重任を対象として明示しています。


よくある失敗⑧ 監事の重任を忘れる

監事も役員であり、任期は2年を超えることができません。


よくある失敗⑨ 補欠理事へ新たに丸2年の任期を設定する

定款が「前任者の残任期間」としている場合には、それに従います。


よくある失敗⑩ 分院長が理事であることを忘れる

分院管理医師である理事についても役員任期管理が必要です。


よくある失敗⑪ M&A直前なので任期切れを放置する

M&A予定と法人の役員任期は別です。

クロージングまで適切な法人運営を維持してください。


よくある失敗⑫ 過去の架空議事録で帳尻を合わせる

実際の意思決定と異なる議事録を作成すべきではありません。

事実関係に基づいて行政庁・専門家と是正方法を検討してください。


医療法人の役員任期・重任FAQ

Q1. 医療法人の理事の任期は何年ですか?

医療法上、役員の任期は2年を超えることができません。

再任することは可能です。


Q2. 監事も2年ですか?

監事も役員なので、任期は2年を超えることができません。


Q3. 理事長も2年ごとに手続きが必要ですか?

一般的な2年任期の医療法人では必要です。

東京都も「理事長重任は2年ごと」と案内しています。


Q4. 同じ理事なら自動更新できますか?

自動更新と考えず、任期満了後の再任手続きを行います。


Q5. 全員同じ役員でも役員変更届は必要ですか?

必要です。

大阪府は任期満了に伴う重任も役員変更届の対象と明示しています。


Q6. 理事の重任には社員総会が必要ですか?

社団医療法人の理事・監事は社員総会で選任する仕組みですので、次期任期の役員選任を適切に行います。


Q7. 理事長重任には理事会も必要ですか?

理事長は理事会で理事の中から選出します。

大阪府は理事長重任について理事会議事録を提出書類としています。


Q8. 互選書だけでもいいですか?

大阪府では2026年6月現在、理事長の就任・重任について理事会議事録を求め、互選書は不可と明示しています。


Q9. 理事長が変わらなくても法務局の登記は必要ですか?

必要です。

東京都は理事長重任を2年ごとの登記事項として案内しています。


Q10. 理事・監事も全員登記しますか?

一般的な社団医療法人では代表者である理事長の登記が中心です。

理事・監事については所管行政庁への役員変更届を確認します。


Q11. 重任したら都道府県への届出も必要ですか?

必要です。

任期満了による重任も役員変更届の対象です。


Q12. 理事長重任登記後にもう一つ届出がありますか?

所管行政庁への登記事項関係の届出を確認します。

東京都は理事長任期満了による重任をその対象として明示しています。


Q13. 役員の任期を3年にできますか?

できません。

役員任期は2年を超えることができません。


Q14. 任期を1年にできますか?

医療法上は「2年を超えることができない」という上限規制です。

実際の任期は現行定款を確認してください。


Q15. 同じ人を何回でも再任できますか?

医療法は再任を妨げないと定めています。

したがって、適切に再任手続きを行うことで継続して役員を務めることが可能です。


Q16. 補欠理事の任期も就任から2年ですか?

現行定款を確認してください。

大阪府の定款作成例では、補欠役員の任期は前任者の残任期間とされています。


Q17. 任期満了後、後任が決まっていない場合は?

法または定款上の必要役員数が欠ける場合には、任期満了・辞任した役員が後任就任まで役員としての権利義務を有する制度があります。

ただし、これを理由に重任手続きを放置してよいわけではありません。


Q18. 分院長である理事も2年ごとに重任しますか?

理事である以上、役員任期の対象です。


Q19. 管理医師を辞めたら理事のまま残れますか?

管理者であることを理由に理事となっている場合、厚生労働省は管理者職を退いたときは原則として理事職も失うとしています。ただし改めて理事へ再任することは可能です。


Q20. M&A予定なら重任手続きを飛ばせますか?

おすすめできません。

M&Aクロージングまで適切な役員体制を維持する必要があります。


Q21. 数年間重任を忘れていました。どうすればいいですか?

まず現行定款、過去の社員総会・理事会議事録、役員変更届、登記簿等を確認してください。

事実関係を整理した上で所管行政庁・司法書士等と是正方法を検討します。


Q22. 過去の日付で議事録を作れば直せますか?

実際に開催・決議していない会議について過去に開催したような議事録を作成することは適切ではありません。

事実に基づいて是正してください。


Q23. 重任手続きは行政書士に依頼できますか?

医療法人の社員総会・理事会関係書類、役員変更届等の行政手続きについては、医療法人業務を取り扱う行政書士へ相談できます。

理事長重任登記は司法書士と連携して進めます。


医療法人役員の任期管理チェックリスト

最低限、次を確認してください。

  1. 現行定款
  2. 理事の任期
  3. 監事の任期
  4. 現理事長
  5. 理事長の理事就任日
  6. 前回社員総会日
  7. 前回理事会日
  8. 前回重任日
  9. 理事長登記日
  10. 役員変更届提出状況
  11. 登記事項届提出状況
  12. 理事定数
  13. 監事定数
  14. 補欠役員の有無
  15. 分院管理医師である理事
  16. 次回任期満了予定
  17. M&A予定
  18. 親族承継予定
  19. 分院開設予定
  20. 定款変更予定

医療法人の役員任期を放置している先生へ

医療法人の役員重任は、

「2年ごとの形式的な事務作業」

と考えられがちです。

しかし実際には、

社員総会が現在の理事・監事を次の任期も任せるか判断し、理事会が次の理事長を選ぶ

という重要なガバナンス手続きです。

特に、

  • 分院が増えている
  • 管理医師が変わっている
  • 親族承継を予定している
  • M&Aを予定している
  • 理事長が高齢になっている

医療法人では、

2年ごとの重任時期は役員体制そのものを見直す絶好のタイミングでもあります。

当事務所では、医療法人・クリニック関係の行政手続きを専門分野として、

現行定款確認
→ 役員任期確認
→ 過去の重任状況確認
→ 社員総会議事録
→ 理事会議事録
→ 役員重任
→ 司法書士との理事長重任登記連携
→ 役員変更届
→ 登記事項届
→ 必要に応じ役員体制の見直し

までサポートしています。

「いつ役員任期が切れるか分からない」

「2年以上何もしていない」

「同じ理事長なので登記していなかった」

「M&A前に役員関係を整理したい」

「父から息子へ交代するなら重任時期に合わせたい」

という先生は、次の任期満了を待たずに現在の役員関係を一度確認することをおすすめします。

【医療法人の役員任期・重任について相談する】


まとめ|医療法人の役員は「同じ人でも2年ごとに確認」が基本

最後に重要なポイントを整理します。

  1. 医療法人の役員は理事・監事
  2. 役員任期は2年を超えることができない
  3. 再任は可能
  4. 同じ人物でも自動更新ではない
  5. 理事・監事とも任期管理が必要
  6. 理事長も理事としての任期がある
  7. 理事・監事の再任は社員総会で適切に行う
  8. 理事長は理事会で改めて選出する
  9. 大阪府では理事長重任について理事会議事録が必要
  10. 大阪府では互選書不可
  11. 任期満了による重任も役員変更届の対象
  12. 東京都は理事長重任を2年ごとと明示
  13. 同じ理事長でも重任登記が必要
  14. 登記後は登記事項関係の届出も確認する
  15. 理事・監事全員を登記する仕組みではない
  16. 補欠役員の任期は現行定款を確認する
  17. 大阪府の定款例では前任者の残任期間
  18. 任期満了時に必要役員数を欠く場合には権利義務役員の制度がある
  19. 権利義務役員を理由に任期管理を放置しない
  20. 管理医師である理事も任期管理が必要
  21. 管理者を退くと原則として管理者たる理事の職も失う
  22. M&A直前でも任期を放置しない
  23. 親族承継では任期満了を交代タイミングとして活用できる場合がある
  24. 任期切れ判明時に架空の過去議事録を作らない
  25. 次回重任日を事前に管理する

医療法人の役員重任で最も大切なのは、

「メンバーが変わったかどうか」ではありません。

任期が満了したかどうか

です。

同じ理事、同じ監事、同じ理事長が続投する場合でも、任期が満了すれば次の任期について正式な意思決定を行います。

特に理事長については、

理事として再任

理事会で理事長へ再選出

重任登記

行政庁への届出

まで確認することが重要です。

「同じメンバーだから何もしなくてよい」ではなく、2年ごとに医療法人のガバナンスを確認するという意識で管理することをおすすめします。


参考となる公的情報・一次情報

本記事は、医療法及び厚生労働省「医療法人の機関について」、東京都・大阪府が2026年時点で公表している医療法人運営・役員変更関係資料を基に作成しています。

厚生労働省は、医療法人の役員について、任期は2年を超えることができない一方、再任を妨げないと明示しています。また法令・定款上必要な役員数が欠ける場合には、任期満了・辞任した役員が後任就任まで役員としての権利義務を有することも示しています。

東京都は2026年公表資料で、役員の任期満了による重任について2年ごとに役員変更届が必要であり、理事長重任については2年ごとに登記が必要であることを案内しています。

また東京都の2026年版医療法人運営手引では、登記事項に変更があった場合について、理事長の任期満了による重任を含むと明示し、登記後の届出を求めています。

大阪府は2026年6月更新の役員変更届案内で、理事長の就任・重任について理事会議事録を必要書類とし、互選書は不可としています。また任期満了に伴う重任も役員変更届の対象であることを案内しています。

※役員任期の具体的な満了日、補欠役員の任期、社員総会・理事会の決議方法、必要書類等は各医療法人の現行定款及び所管自治体の取扱いによって異なります。実際の手続きでは最新の定款・行政庁資料を確認してください。


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この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、東証プライム上場企業を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。医療法人関係、補助金申請に専門特化。趣味は週7日の筋トレ。

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