兵庫県や大阪府の医療法人化のメリット・デメリットと分院開設を成功させる戦略

兵庫県や大阪府でクリニックを経営されている医師の先生方、そしてそれを支える税理士、事務長の皆様へ。

「そろそろ医療法人化を考えた方が良いのだろうか?」 「事業を拡大して、分院を開設したいが何から手をつければ…」 「節税や事業承継について、もっと有利な方法はないか?」

日々の診療やクリニック運営でお忙しい中、このような経営に関する重要な課題に頭を悩ませていらっしゃるのではないでしょうか。

こんにちは。医療法人設立手続きを専門としておりますカミーユ行政書士事務所です。

これまで数多くのクリニックの法人化と、その後の成長をサポートしてまいりました。

この記事では、医療法人化や分院開設をご検討中の皆様が抱える疑問や不安を解消し、クリニックの未来を切り拓くための具体的な道筋を示すことを目的としています。

複雑な手続きや法律の話を、できる限り分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

この記事を読み終える頃には、ご自身のクリニックが次に進むべき道が明確になっているはずです。

なぜ今、多くのクリニックが「医療法人化」を選ぶのか?

個人事業のクリニックとして順調に経営を続けていても、ある段階で「壁」に直面することがあります。

  • 税金の壁: 所得が増えるほど高くなる所得税率(最大45%)と住民税(約10%)により、利益の半分近くが税金に。
  • 事業拡大の壁: 2つ目のクリニック(分院)を開設したくても、個人事業主では開設・管理が原則として認められていません。
  • 事業承継・信用の壁: 院長の引退や万が一の際、個人クリニックはそのままでは事業の承継が難しく、金融機関からの融資や優秀な人材の採用においても、法人格を持つ方が有利になる傾向があります。

これらの「壁」を乗り越え、クリニックをさらに発展させるための有効な手段が「医療法人化」なのです。

【徹底比較】医療法人化のメリットとデメリット

医療法人化は、バラ色の未来だけを約束するものではありません。

メリットとデメリットを正しく理解し、ご自身のクリニックの状況と照らし合わせて判断することが極めて重要です。

院長・クリニックにとっての5つの金銭的メリット

  1. 圧倒的な節税効果
    • 役員報酬と給与所得控除: 院長個人への報酬は「給与」となり、給与所得控除が適用されるため、課税所得を大きく圧縮できます。
    • 法人税率の適用: 法人所得には、所得税よりも低い法人税率が適用されます。
    • 所得の分散: ご家族を役員にすることで所得を分散し、世帯全体での納税額を抑えることが可能です。
    • 退職金の支給: 院長やご家族の役員に退職金を支給できます。退職金は税制上非常に優遇されており、損金として計上できるため、大きな節税効果が期待できます。
    • 生命保険の活用: 法人契約の生命保険料の一部または全部を損金として計上でき、保障と節税を両立できます。
  2. 分院の開設が可能に 事業拡大の選択肢として、複数のクリニック(分院)を展開できるようになります。
  3. 社会的信用の向上 法人格を持つことで、金融機関からの融資が受けやすくなったり、優秀なドクターやスタッフの採用競争において有利に働いたりします。
  4. 事業承継の円滑化 院長がリタイアする際も、出資持分の譲渡や理事長の交代によって、クリニックの事業をスムーズに次世代へ引き継ぐことが可能です。
  5. 決算期の任意設定 繁忙期を避けて決算期を設定できるため、計画的な納税対策や業務の平準化が図れます。

知っておくべき4つのデメリットと対策

  1. 設立・運営コストの発生: 設立認可申請や登記に費用がかかるほか、法人として運営していくためのランニングコスト(税理士・行政書士への顧問料など)が発生します。
  2. 社会保険への強制加入: 役員・従業員は健康保険・厚生年金への加入が義務となり、法人と個人の双方で保険料負担が増加します。
  3. 事務手続きの煩雑化: 事業年度終了後の資産登記や都道府県への事業報告書の提出など、個人事業にはなかった事務作業が発生します。
  4. 資産の制約: 法人の資産と個人の資産は明確に区別されます。院長が自由に使えるお金(役員報酬以外)が少なくなるという感覚を持つ方もいらっしゃいます。

《税理士・事務長様へ》

先生方が顧問先へ医療法人化を提案される際、税務上のメリットだけでなく、上記のような労務・法務上のデメリットや手続きの煩雑化についても事前に丁寧にご説明いただくことが、後のトラブル防止と信頼関係の構築に繋がります。

特に社会保険への加入は、スタッフの処遇にも関わる重要なポイントです。


事業拡大の切り札!「分院開設」を成功させる進め方

医療法人化の最大のメリットの一つが、この「分院開設」です。

地域医療への貢献度を高め、収益の柱を複数持つことで、経営基盤を盤石にすることができます。

分院開設の手続きとポイント

分院の開設には、定款変更の認可申請や、開設許可申請、保健所への届出、厚生局への保険医療機関指定申請など、多くの行政手続きが必要です。

成功のポイントは、「事業計画の精度」と「分院長の確保」にあります。

  • 事業計画: なぜその場所に分院を出すのか? 診療圏調査に基づく需要予測、資金計画、収支シミュレーションを徹底的に行いましょう。
  • 分院長の確保: 分院を任せられる信頼できる医師(分院長)の確保は、分院成功の絶対条件です。分院長の要件は法律で定められており、採用や育成には時間もかかります。

これらの手続きや計画は非常に専門性が高いため、多くのケースで専門家のサポートが不可欠となります。

医療法人設立・分院開設手続きのタイムライン

「手続きが大変そう…」と感じられたかもしれません。

確かに、医療法人設立は誰でも簡単に行えるものではありません。

一般的な流れは以下の通りです。

  1. STEP1:要件の確認と事前相談(2ヶ月〜)
    • 行政(都道府県の医療法人担当課)との事前打ち合わせ
  2. STEP2:設立総会の開催
    • 定款や事業計画などを決定
  3. STEP3:設立認可申請書の作成・提出
    • 最も専門知識を要するプロセス。都道府県ごとにローカルルールも存在します。
  4. STEP4:都道府県からの設立認可
    • 通常、申請から認可まで数ヶ月を要します。
  5. STEP5:設立登記
    • 認可から2週間以内に法務局で登記
  6. STEP6:保健所・厚生局などへの各種届出
    • 登記完了後、速やかに手続きを完了させる必要があります。

全体として、ご相談から設立完了まで、早くても半年から1年程度を見込んでおく必要があります。

なぜ、手続きを専門家(行政書士)に任せるべきなのか?

お忙しい先生方や事務長様が、通常業務と並行してこれらの複雑な手続きをすべてご自身で行うのは、現実的ではありません。

専門家である行政書士にご依頼いただくことで、以下の3つの大きなメリットが得られます。

  • 圧倒的な時間と労力の節約: 面倒な書類作成や行政窓口との折衝をすべて代行します。先生方は診療と経営という本来の業務に集中できます。
  • ミスのない確実な手続き: 最新の法令や各都道府県のルールを熟知しているため、申請の差し戻しや不認可といったリスクを最小限に抑え、最短ルートでの設立を実現します。
  • 設立後を見据えたコンサルティング: 私たちは単なる代書屋ではありません。設立後の運営まで見据え、先生のクリニックにとって最適な定款の設計や機関設計をご提案します。

医療法人化・分院開設は、クリニックの未来を左右する重要な経営判断です。

その大切な第一歩でつまずくことがないよう、私たち専門家が伴走者として全力でサポートいたします。

まとめ:未来への第一歩を、まずは相談から

今回は、医療法人化のメリット・デメリットから、分院開設の戦略までを解説しました。

  • 節税、事業承継、事業拡大に大きなメリットがあるのが医療法人化
  • ただし、運営コストや事務負担の増加といったデメリットも存在する
  • 分院開設は、綿密な事業計画と分院長の確保が成功のカギ
  • 設立手続きは複雑で時間がかかるため、専門家への依頼が最も確実で効率的

ここまでお読みいただき、「自分のクリニックの場合はどうだろう?」と、より具体的な疑問が湧いてきたのではないでしょうか。

その一歩を踏み出すために、まずは専門家の話を聞いてみませんか?


【初回相談無料】医療法人設立・分院開設に関するご相談はこちら

医療法人化は、すべてのクリニックにとって最適な選択とは限りません。まずは先生のクリニックの現状、将来のビジョンをじっくりお聞かせください。その上で、法人化すべきか否か、するならどのタイミングがベストか、専門家として誠実にアドバイスさせていただきます。

無理な勧誘は一切いたしませんので、どうぞお気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。趣味は週7日の筋トレ。

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