ものづくり補助金の申請を検討されている事業者の皆様、こんにちは! 補助金申請専門のカミーユ行政書士事務所です。
当事務所ではリモートで東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県など全国対応をさせて頂いております。
未来を切り拓く中小企業・小規模事業者の皆様にとって、設備投資や新製品・サービス開発は事業成長の要です。
しかし、そのための資金調達は常に大きな課題となります。
そこで注目されるのが、国の強力な後押しである「ものづくり補助金」です。
2025年ものづくり補助金の公募が開始されました。
今回は、特にこのものづくり補助金の最新情報を踏まえ、採択を勝ち取るためのポイントを行政書士の視点から深掘りして解説いたします。
ものづくり補助金とは? – 生産性向上と賃上げを促進する強力な支援策
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者等が、国際競争力強化や国内の生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発、生産プロセスの改善、または海外市場開拓などに取り組むために必要な設備投資等を支援する補助金です。
この補助金の最大の目的は、単なる設備導入に留まらず、企業の「付加価値額」と「賃金」の向上を通じて、日本経済全体の生産性向上を促進することにあります。
特に賃上げを積極的に行う事業者には、補助率の優遇や補助上限額の引き上げが適用されるなど、国の施策との連動が強く意識されています。
なぜ今、ものづくり補助金なのか?
不安定な経済情勢の中、多くの企業が変革の必要性を感じています。
新技術の導入、既存事業の転換、新たな市場への挑戦など、未来に向けた投資は不可欠です。
ものづくり補助金は、これら「攻めの投資」を強力に後押しし、事業の持続的成長と競争力強化をサポートします。
また、昨今の人手不足を解消するための省力化投資や、賃上げによる従業員のモチベーション向上、優秀な人材の確保にも繋がるため、事業戦略の中核を担う重要な要素となり得ます。
第20次ものづくり補助金のスケジュールと変更点
第20次公募は、これまでの公募回からいくつかの重要な変更点があります。
これらの変更点を正確に理解し、申請戦略に活かすことが採択への第一歩です。
項目 | 第20次公募スケジュール |
公募開始 | 2025年4月25日(金) |
電子申請受付開始 | 2025年7月1日(火)17:00 |
申請締切 | 2025年7月25日(金)17:00(厳守) |
採択結果発表(予定) | 2025年10月下旬頃 |
交付決定・事業開始(想定) | 2025年12月頃~ |
事業完了期限(想定) | 2026年10月頃 |
補助金交付(想定) | 2026年11月頃 |
【注目すべき変更点・ポイント】
- 申請期間の延長: 今回の公募期間は、従来の2ヶ月間から約3ヶ月間に延長されました。これにより、事業計画の策定や必要書類の準備に、より余裕を持って取り組めるようになりました。
- 他補助金との併用ルール変更: 同時申請が可能になるなど、他補助金との併用に関するルールが明確化・緩和されました。これにより、複数の補助金を組み合わせて、より大規模な事業展開を目指すことが可能になります。
- 「収益納付は求めない」の明記: 補助金活用で収益が増加した場合に、一部を国に返納する「収益納付」が、ものづくり補助金では原則として求められないことが公募要領で明確にされました。これにより、事業者はより安心して補助金を活用し、成長投資に集中できます。
- 賃上げへのインセンティブ強化: 最低賃金引き上げに取り組む事業者に対しては、補助率が通常の「1/2」から「2/3」に引き上げられます。また、従業員数に応じた補助上限額も、「大規模な賃上げ」に取り組むことを表明することでさらに引き上げられます。
これらの変更は、国がものづくり補助金を通じて中小企業の生産性向上と賃上げを強く推進している表れであり、申請を検討する事業者にとって大きな追い風となります。
補助対象者と対象経費、そして補助上限額
補助対象者
日本国内に本社及び事業所を有する中小企業者等が対象です。個人事業主も申請可能です。
具体的な要件は、中小企業基本法に定める中小企業の範囲(業種ごとの資本金や従業員数の基準)に準じます。
補助対象経費
以下の経費が対象となります。
特に「機械装置・システム構築費」は必須です。
- 機械装置・システム構築費(必須): 新製品開発、生産プロセス改善、サービス提供方法改善に必要な設備、工具・器具、ソフトウェア等
- 技術導入費: 新製品・サービス開発に必要な知的財産権等の導入費用
- 専門家経費: 事業計画策定や技術指導に関する専門家への謝金等
- 運搬費: 設備等の運搬費用
- クラウドサービス利用費: クラウドサービスの利用費用(補助事業期間中に限る)
- 原材料費: 試作開発等に必要な原材料費
- 外注費: 試作開発等の一部を外部に委託する費用
- 知的財産権等関連経費: 特許権等の取得に要する弁理士費用等


申請枠と補助上限額・補助率
第20次公募では、主に以下の2つの申請枠があります。
- 製品・サービス高付加価値化枠
- 革新的な新製品・新サービス開発や、生産プロセス改善のための設備・システム投資を支援。
- 海外展開を伴わない事業はこちらが一般的。
- グローバル枠
- 海外事業の実施、海外市場開拓を伴う国内生産性向上への設備・システム投資を支援。
【補助上限額と補助率(製品・サービス高付加価値化枠の例)】
従業員数 | 通常の補助上限額(補助下限額100万円) | 賃上げ特例適用時の補助上限額 | 補助率(通常) | 補助率(賃上げ、小規模・再生事業者) |
5人以下 | 750万円 | 850万円 | 中小企業:1/2 | 中小企業:2/3、小規模・再生:2/3 |
6~20人 | 1,000万円 | 1,250万円 | 中小企業:1/2 | 中小企業:2/3、小規模・再生:2/3 |
21~50人 | 1,500万円 | 2,500万円 | 中小企業:1/2 | 中小企業:2/3、小規模・再生:2/3 |
51人以上 | 2,500万円 | 3,500万円 | 中小企業:1/2 | 中小企業:2/3、小規模・再生:2/3 |
※賃上げ特例は、3〜5年の事業計画期間内で給与支給総額を年平均1.5%以上増加させ、かつ事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円(または+50円)以上とすることを満たす場合に適用されます。
採択を勝ち取るための事業計画書作成の秘訣
ものづくり補助金の採択率は、例年30〜60%程度と決して高くありません。
単に申請すれば通るものではなく、練り上げられた事業計画書が不可欠です。
ここでは、採択に繋がる事業計画書作成のポイントを行政書士の経験からお伝えします。
1. 「3〜5年の事業計画」を徹底的に練り上げる
ものづくり補助金では、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間で、以下の目標達成が義務付けられています。
- 付加価値額: 年平均成長率3%以上増加
- 給与支給総額: 年平均成長率1.5%以上増加
- 事業場内最低賃金: 地域別最低賃金+30円以上の水準
これらの数値目標は、単なる希望的観測ではなく、具体的な根拠に基づいた実現可能性の高い計画であることが求められます。
市場分析、競合分析、自社の強み・弱みを深く掘り下げ、なぜこれらの目標が達成できるのかを論理的に説明しましょう。
2. 「革新性」と「独自性」を明確にする
補助金の趣旨は「革新的な取り組み」の支援です。
- 既存の製品・サービスの単なる改良ではなく、**「新製品・新サービス」**であること。
- 汎用的な設備導入ではなく、**「生産プロセスやサービスの提供方法の改善」**に繋がること。
- 競合他社にはない**「独自の技術やノウハウ」**を活用していること。
これらを具体的に、かつ専門家でなくとも理解できるように平易な言葉で記述することが重要です。図やグラフを用いて視覚的に訴えることも有効です。
3. 「課題解決」と「導入効果」を具体的に示す
自社が抱える経営課題や技術的課題を明確にし、その課題を補助事業によってどのように解決するのかを具体的に示します。
- 現状分析: どのような課題があるのか?(例:生産性が低い、人手不足、品質にばらつきがあるなど)
- 課題解決策: 導入する設備やシステム、取り組む新事業が、その課題をどのように解決するのか?(例:AI搭載ロボット導入による省力化、新素材開発による製品の高付加価値化など)
- 導入効果: 解決策によって、具体的にどのような効果が期待できるのか?(例:生産効率〇〇%向上、不良率〇〇%削減、新規顧客開拓による売上〇〇万円増など)
特に「省力化」については、単なる作業時間の短縮ではなく、**「省人化」**に繋がり、浮いた人員をより付加価値の高い業務に配置転換することで、どのように企業の生産性向上に貢献するのかを明確にすることが重要です。
4. 費用対効果と資金計画の妥当性
導入する設備やシステム、実施する事業にかかる費用が妥当であること、そしてその費用に対して得られる効果(売上増加、コスト削減など)が大きいことを示す必要があります。
相見積もりを取り、最もコストパフォーマンスの高い選択であることをアピールしましょう。
また、自己資金の調達方法や、補助金が交付されるまでのつなぎ融資の目途など、資金計画が現実的であることも重要です。
5. 加点項目を意識する
ものづくり補助金には、特定の要件を満たすことで加点される項目があります。
- 賃上げ計画
- 事業継続力強化計画の認定
- 先端設備等導入計画の認定
- 小規模事業者
- 海外展開
- 再生事業者
これらの加点項目を積極的に狙い、採択の可能性を高めましょう。
ご自身の事業がどの加点項目に該当するか、事前に確認しておくことが大切です。
行政書士に相談するメリット
ものづくり補助金の申請は、事業計画の策定から申請書類の準備、電子申請システムの操作まで、多岐にわたる専門知識と膨大な時間を要します。
特に、初めて補助金申請を行う事業者様にとっては、その複雑さに圧倒されてしまうかもしれません。
補助金申請専門の行政書士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 採択率の向上: 補助金の趣旨や審査ポイントを熟知しているため、採択されるための事業計画書の「型」や「ツボ」を押さえた書類作成が可能です。貴社の強みや事業の独自性を最大限に引き出し、審査員に響く表現でアピールします。
- 時間と手間の削減: 煩雑な書類作成やGビズIDの取得、電子申請システムの操作など、申請に係るあらゆる業務を代行します。これにより、事業者は本業に集中することができます。
- 最新情報の提供: 公募要領の変更点や追加情報など、常に最新の情報をキャッチアップし、申請に反映させます。
- 計画策定のサポート: 漠然としたアイデアを具体的な事業計画に落とし込み、数値目標の妥当性検証、市場分析などをサポートします。
- 不採択リスクの軽減: 過去の不採択事例や、ありがちな誤りなどを踏まえ、リスクを最小限に抑えた申請をサポートします。
当事務所のサポート体制
当事務所では、ものづくり補助金申請を検討されている事業者様に対し、初回無料相談を実施しております。
貴社の事業内容や今後の展望を丁寧にヒアリングし、ものづくり補助金の活用が適切か、採択の可能性はどの程度か、具体的な申請スケジュールなどについて、分かりやすくご説明いたします。
事業計画は策定済みだが、添削してほしい。GビズIDの取得方法がわからない。電子申請のやり方が不安。どんな些細なことでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問 (FAQ)
Q1: GビズIDプライムアカウントは必須ですか?
A1: はい、ものづくり補助金の電子申請には、GビズIDプライムアカウントが必須です。取得には数週間かかる場合があるため、余裕を持って早めに取得手続きを開始してください。
Q2: 賃上げ目標を達成できなかった場合、どうなりますか?
A2: 事業計画期間終了後も賃上げ目標が未達成の場合、補助金の一部または全部の返還を求められる可能性があります。
しかし、その原因が事業計画の範囲外にあることや、事業継続が困難な状況にあることなど、合理的な理由がある場合は、免除されることもあります。
計画の策定段階で無理のない目標設定が重要です。
Q3: 採択された場合、すぐに補助金がもらえますか?
A3: いいえ、採択後すぐに補助金が交付されるわけではありません。
まず「交付決定」を受け、その後、事業を実施し、完了後に「実績報告」を行います。
事務局による検査を経て、ようやく補助金が交付されます。
事業完了から補助金交付まで数ヶ月かかることを想定し、資金繰り計画を立てる必要があります。
まとめ
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者の皆様が、厳しい経済環境を乗り越え、持続的に成長していくための強力な支援ツールです。
特に第20次公募は、申請期間の延長や賃上げへのインセンティブ強化など、事業者にとって有利な変更点が多く見られます。
「うちの会社でも申請できるだろうか?」「採択されるか不安だ…」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、補助金申請専門の行政書士にご相談ください。
貴社の事業を深く理解し、採択の可能性を最大限に引き出すための最適なサポートをご提供いたします。
未来への投資を、このものづくり補助金で実現させましょう!