栃木県宇都宮市でIT導入補助金などの補助金申請に強いカミーユ行政書士事務所です。
東京、神奈川、千葉、埼玉などのお客様はZOOMなどのリモートで全国対応していますのでご安心ください。
今回は、事業者の方々が検討すべき補助金としてIT導入補助金の活用について紹介をさせて頂きます。

IT導入補助金とは?
中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。
補助金の金額としては最大450万円となっています。
補助率が1/2ですので900万円の見積もりに対して450万円を国が補助してくれることになります。
IT導入補助金の具体的な流れは下記の図のようになります。

IT導入支援事業者に登録されているITツールからお客様に選んでいただき、そのツールを活用した新規事業について申請をするというものになります。
スケジュールとしてもほぼ毎月エントリーが可能となっています。
他の補助金ですと締め切り時期を過ぎてしまうと次の回のエントリーまで何カ月もかかってしまうことがありますが、その点ではIT導入補助金は良心的だと言えます。
IT導入補助金の具体的な活用例
IT導入補助金と聞いてもイメージが湧きにくい方がほとんどではないでしょうか。
またこちらのような疑問をお持ちの方が多いのではないかと思います。
・課題はあるけど、どのような手を打てばよいのかイメージができない
・IT導入補助金は具体的にどんなことに使えるのか知りたい
・うちの会社(個人事業)の業種でもITツールを活用できるの?
そこで具体的なイメージを持っていただきたいためにいくつかの事業における導入事例と導入した結果、どうなったのかについてケースを紹介したいと思います。
飲食業の場合
【抱えていたお悩み】
オーダーの混雑緩和と会計業務のミス解消が課題
「残されないお弁当作り」をモットーに、主菜はもちろん、副菜や漬物に至るまで味と食材にこだわった弁当店を展開。
これまで店頭では、スタッフが対面で注文をお伺いして会計を行う方式で、特にランチタイムにはお客様が集中して行列ができてしまう状況でした。
注文、会計、オーダーを伝票に手書きして厨房へ通す、という一連の作業を1名で対応していましたので、会計してからオーダーまでのタイムロスや釣り銭の受け渡しミス、オーダー違いなどの問題が発生していました。
【導入したITツール】
飲食店専用POSレジ &オーダーシステム「テンポスエアー」を導入
「セルフ注文・レジシステム」は大手チェーン店では一般的になりつつありますが、コストがかかりますので、個人店舗ではなかなか導入に踏み切ることができません。
少しでも安価で機能性の高いシステムはないものか検討を重ねた結果、飲食店専用POSレジ&オーダーシステム「テンポスエアー」を導入することに決めました。
価格と機能の妥当性と、お客様が注文しやすいデザインや操作性が決め手でした。

【ITツール導入の効果】
会計ミスは9割削減!顧客単価は2割アップ!
「テンポスエアー」の端末を2台導入して1年ほど経過しましたが、もはや以前の状況へ戻すことは考えられないほどに業務が効率化しました。
まず、お客様が注文&決済を完了した時点で瞬時に厨房へ情報が届くため、オーダーミスがなくなるとともにご提供までのスピードもアップ。
セルフレジのため、釣り銭の受け渡しミスもなくなりました。
スタッフの作業時間に余裕ができた分、料理にひと手間かけるなど、料理の質や顧客満足度の向上に力を注ぐことができるようになったと実感しています。
また、コロナ禍で対面接客を気にされるお客様もいらっしゃいますので、注文のやりとりや金銭の受け渡しがなく、タッチパネルで完結できることも喜ばれています。
さらに大きなポイントは、追加注文を促す仕組みがあることです。
注文画面で「オススメのオプションメニュー」を表示できるので、お客様ご自身でメニューに合ったオプションを気軽にお選びいただけます。
この販促機能によって追加注文が格段に増え、顧客単価は2割以上もアップしました。
建設業の場合
【抱えていたお悩み】
公共工事の入札に参加するも、落札できたのは10年で1件だけ
電気設備工事業はとても厳しい業界で、建築・土木関連の下請け受注で価格競争を強いられ、その結果、労働環境の悪化を招き、若い世代から人気がなくなって人手不足に陥っています。
より元請け受注を増やすことで業績向上を果たし、スタッフの高待遇・高福祉につなげていきたい、お客様もスタッフも双方満足できる仕組みを構築したいという思いがありました。
元請け比率を上げるには、地方自治体などが実施する「公共工事」の受注は外せません。
しかし、公共工事の競争入札は最低価格が設定されているのですが、公平性を保つため“非公開”となっており、その価格を割ることなく落札するためには緻密な積算*が求められます。
当社がここ10年で受注できたのはわずか1件。
公共工事の積算精度を高めていく必要がありました。
【導入したITツール】
土木積算システム ATLUS REAL Evo(NET版)
公共工事は民間工事と積算の考え方が異なる上に非常に難易度が高く、積算精度を高めるためにITツールの導入は不可欠です。
そこで、公共工事の受注率が高い同業他社が使用しているITツールをリサーチし、2021年11月に積算の精度に定評がある公共工事特化型の「土木積算システム ATLUS REAL Evo(NET版)」を導入しました。
補助金の申請はIT導入の目的や目標が明確にありましたので、スムーズに進めることができました。

苦心したのはスタッフの動機付けです。
経営層の思いでITツールを入れたものの、現場が使いこなせず上手く活用できなかったというのはよくある悩みではないでしょうか。
スタッフからは、公共工事の積算に不慣れな上に「ツールの操作方法が分からない」と不安の声が上がっていました。
そこで経営陣も一緒にサプライヤーの相談会等に足を運んで不安に寄り添い、同ツールをうまく活用している他社の見学をさせてもらうことで、苦労を乗り越えた先にある成功イメージを持ってもらえるよう心掛けてきました。
入札は1件ごとに条件が違うため、現在もスタッフは毎日、IT導入支援事業者のサポートセンターに電話をかけて積算精度を高めるアドバイスを受けています。
こうしたサポート体制の手厚さもツール選定の要だと思います。
【ITツール導入の効果】
入札参加件数が大幅に増え、スタッフの意識にも変化が
これまで年に数回しか公共工事の入札に参加することができませんでしたが、導入後の2022年度は4〜6月の3ヶ月間で、すでに5件の入札に参加しています。
まだ受注には至っていませんが、入札数を増やせただけでも大きな導入効果です。
公共工事に対するスタッフの意識も上がっており、自主的に入札情報サービスを確認して「こんな募集が出ていましたよ」「積算見積もりしてみましょうか」というやりとりが聞こえるようになりました。
これはツール導入前には考えられなかった意識の変化です。繰り返し入札にチャレンジすることで積算精度が高まり、受注率が上がっていくだろうと頼もしく感じています。
卸売業の場合
【抱えていたお悩み】
コロナ禍で激減した売上の回復が急務だった
業務用食品や厨房機器の卸販売、飲食店経営のサポートなどをメインに手がけています。
食品原材料の提供をしながら、新製品の開発アドバイスも行うなど、取引先様と一緒に外食産業を盛り上げるべく取り組んできました。
2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大が本格化すると、外食産業を取り巻く状況は一変し、弊社もその煽りをダイレクトに受けて売上は半分まで落ち込みました。
というのも、当時私どもはインバウンドをメインターゲットとしており、テーマパークや公園、パーキングエリアなどのレジャー関連施設にある飲食店や来場客が主要な販売先だったのです。業績への影響は甚大でした。
【導入したITツール】
ECサイト構築にチャレンジ!
弊社は飲食店向けの「業務用食品」を扱っており、スーパーでは入手できない製菓・製パン用食材や機能性食品などの製品群が大きな強みです。
コロナ禍で厳しい状況が続く中で勝ち抜くためには、ECサイトを構築して業務用食品を一般消費者に販売するしかないと判断し、すぐさま動き出しました。
ECサイトの運営経験は全くなかったので、まずはかねてから付き合いのあった会社に相談したところIT導入支援事業者の紹介を受け、全面的にサポートを依頼することとなりました。
弊社ならではの強みや現状、今後のビジョンなどをお話しし、ECサイト構築へ向けての具体的なプランをご提案いただきました。
4月末にはIT導入補助金に採択され、その後すぐに自社のショッピングサイト制作に取りかかり、秋にサイトを公開。
さらに楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonのショッピングサイトも次々にオープンさせました。
これだけ大掛かりな作業にもかかわらず、IT導入支援事業者の全面的なサポートのもと、スピーディに導入することができたと実感しています。

【ITツール導入の効果】
ゼロからのスタートで月商400万円を達成!今後さらなる売上アップを目指す
ゼロからのスタートでしたが、1年で月商400万円を達成しました。
利益を考えると、まだまだ売上を確保しなければなりませんが、順調に右肩上がりの成長をしています。
ECサイトの売上比率としては、食品に強い楽天市場が高い。
自社サイトと異なりECモールへの出店は手数料やロイヤリティもかかりますが、弊社の認知度向上のための広告費と割り切っています。
また、出店者向けセミナー等でインターネット販売のノウハウを学んだり、経験値を積み上げたりすることができるのは、メリットだと感じています。
いかがでしたか?
こちらにご紹介したのはほんの一例です。
まだまだ様々な活用事例がありますのでお気軽にお問い合わせください。