第10回事業再構築補助金の内容、スケジュールは?

栃木県宇都宮市で事業再構築補助金などの補助金申請専門のカミーユ行政書士事務所です。

今回は第10回事業再構築補助金の内容、スケジュールについてご紹介をさせて頂きます。

当事務所では東京や大阪、埼玉、千葉、神奈川など各地からご依頼を頂き、事業再構築補助金などの補助金申請を行っています。

ZOOMなどのリモートで全国対応をしていますのでご安心下さい。

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第10回以降の事業再構築補助金では、第9回以前に比べて枠組みが大きく変更されます。

目次

第10回事業再構築補助金の知っておくべきポイント

今回からは大きな変化があります。

以下に事業再構築補助金のポイントをまとめていますのでご覧ください。

①売り上げ減少要件の撤廃

これは大きな改正点です。

前回までは売り上げが10%以上減少していないと事業再構築補助金の申請はできなかったのですが、今回からは撤廃されます。

つまり誰でも申請できる可能性があるということになります。

②2回目の事業再構築補助金の申請が可能になる。

全てではないのですが、一部の枠組みについて、2回目の申請・採択が可能になることも特筆すべきポイントです。

過去に事業再構築補助金の採択を受けた方も、再度の活用を検討してみましょう。

③「成長枠」「産業構造転換枠」「サプライチェーン強靭化枠」が新設

上記の枠組みが新設され、既存の枠組みのいくつかが整理・廃止されます。

「大規模賃金引上促進枠」をはじめ、賃上げを促進するような枠組みや要件が増えたので、賃上げを目指す企業にはとくに便利です。

④「給与支給総額を年率平均2%以上増加」が条件

新しい事業再構築補助金では、「事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること」が条件になります。

成長枠とグリーン成長枠、およびサプライチェーン強靱化枠では、同要件を満たさないと補助を受けられません。

この賃金引上げ要件は、従来の事業再構築補助金には見られなかったものです。

付加価値の増加とあわせて賃上げが必須となったのは、昨今の物価高を考慮してのことだと思われます。

応募する企業としては、賃上げはマストですので更に賃上げをして加点を取りに行くとよいでしょう。

参考:事業再構築補助金HP

全体として要件が緩和される箇所が多く、事業者としては以前より使い勝手がよくなります。

新しい事業再構築補助金の枠組みや補助金額、補助率等は以下の通りです。

ではそのポイントをもう少し詳しく見ていきたいと思います。

① 成長枠(旧通常枠)の売上高減少要件が撤廃

何と言っても大きな改正点です。

第10回以降の事業再構築補助金では、従来までの通常枠がなくなり、代わりに「成長枠」が創設されます。

通常枠と成長枠の違いは、売上高減少要件がなくなることです。

かつての通常枠では、コロナ以前に比べて所定の割合だけ売上高が減少していることが、応募の要件となっていました。一方、新しい成長枠では同要件がなくなるため、売上高が減少している企業でなくても申し込めます。

当事務所にご相談を頂いた方でも売り上げ減少要件に引っかかって補助金申請ができないケースがありました。

今後はこのような心配はなくなります。

成長枠の補助率、補助金額はこちらのようになります。

【見落としがちな盲点】

事業実施期間中に中小企業から中堅企業へ成長する事業者等に対する上乗せ枠(卒業促進枠)又は継続的な賃金引上げに取り組むとともに従業員を増加させる事業者に対する上乗せ枠(大規模賃金引上促進枠)に同時応募可能が可能となっています。

これにより成長枠とこれらの枠の同時応募を検討する事業者も増えてくるのではないかと思います。

②市場規模が10%以上拡大する業種・業態に対象が絞られる

成長枠(旧通常枠)の対象事業は、「過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態」に属する事業です。

この「市場規模が10%以上拡大する業種・業態」という要件は、旧来の通常枠にはありませんでした。

すべての業種・業態が対象となるわけではないのでご注意ください。

対象となる業種・業態は、公募開始の際に事務局のホームページで公開予定です。

なお、指定外の業種・業態であっても、応募時にデータを提出し、要件を満たす(10%以上拡大する)業種・業態であることが認められれば、対象となれます。

また過去の公募回で認められた業種・業態は、以降は指定業種として公開されることになります。

③グリーン成長枠の要件緩和と拡充

温暖化への対応を意識した事業再構築を目指す「グリーン成長枠」は、要件が緩和されて使い勝手が良くなります。

具体的には、従来の要件を「スタンダード」としたうえで、要件の緩い「エントリー」という類型が新設されます。

エントリー枠では、付加価値額と開発年数、従業員の割合の3点について要件緩和が見られます。

「洋上風力・太陽光・地熱」「物流・人流・土木インフラ」をはじめ、カーボンニュートラル関連の事業に挑戦する方は、ぜひ積極的にご活用ください。

④大幅賃上げ・規模拡大へのインセンティブ

成長枠又はグリーン成長枠に申請する事業者に対し、上乗せ枠として、卒業促進枠・大規模賃金引上促進枠を設け、成長・賃上げのインセンティブを付与する(両上乗せ枠の併用は不可)というものです。
大幅な賃上げを行う場合、成長枠・グリーン成長枠の補助率は引上げになります。

補助事業期間内に、以下をいずれも達成した場合、補助率を2/3(中堅は1/2)に引上げになります。

①給与支給総額を年平均6%増加

②事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げ

⑤産業構造転換枠の創設

これは意外にポイントになる枠です。

国内市場の縮小といった産業構造の変化などにより、事業再構築の必要性が高い業種・業態の事業者に対しては、新たに「産業構造転換枠」が設けられます。

産業構造転換枠は、成長枠と比べて補助率が高く、廃業を伴う場合に最大2,000万円の廃業費が上乗せされます。

要件はこちらのようになります。

市場規模が10%以上減少とありますが、コロナの影響を考えますとほとんどの業種が対象になろうかと思います。

コロナにより経済的に影響を受けた事業者が既存事業を止めて新規事業展開を行いたい場合にこの枠を使うと既存事業の廃業費用も計上できますので使い勝手はあるかと思われます。

⑥サプライチェーン強靭化枠の創設

海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に取り組む事業者を対象として「サプライチェーン強靱化枠」を新設し、補助上限額を最大5億円まで引き上げて支援するというものです。

設備投資を行う事業場内の最低賃金を地域の最低より30円以上高くするという追加の賃上げ要件が設けられますので注意しましょう。

⑦コロナや物価高騰により業況が厳しい事業者への支援の継続

第9回公募までは回復・再生応援枠と緊急対策枠の2つがあったのですが、これらを統合し、新たに「物価高騰対策・回復再生応援枠」として今回から応募できるようになりました。

第9回までと比べてもポイントになる枠ではないかと思います。

売上高減少要件が30%から10%に緩和されるため、以前より多くの中小企業が利用可能です。

補助率、補助額は下記のようになります。

おそらくこの枠で申請される事業者はかなり多いのではないでしょうか。

⑧過去に採択された事業者でも2回目の採択が可能になる

事業再構築補助金では、原則として、1事業者につき採択は1回に限っていますが、グリーン成長枠については、過去に採択された事業者であっても、再度申請し採択されることを可能になります。

これに加え、産業構造転換枠及びサプライチェーン強靱化枠についても、一定の条件下で過去採択された事業者の再申請・採択を認めることになりました。

※ただし、産業構造転換枠・サプライチェーン強靱化枠は、1回目の採択額(交付決定を受けている場合は交付決定額又は確定額)との差額分を補助上限とすることに注意が必要です。

但し、支援を受けることができる回数は2回を上限となります。

なお、第9回までに採択をされた事業者が第10回以降で2回目の申請を行うものが対象になってきます。

⑨利用対象範囲の拡大

今までの事業再構築補助金に比べ利用対象範囲が拡大します。

また事前着手制度の見直しもあります。

変更点は下記のとおりです。

(1)社会福祉法人の補助対象範囲拡大

「介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ」の一環として、介護事業の生産性向上を支援するため、社会福祉法人においては、公的保険制度の範囲外で行う事業を収益事業とみなすこととし、補助対象となる法人の範囲を拡大します。

(2)労働者協同組合を補助対象者に追加

令和4年10月1日に施行された「労働者協同組合法」に基づき設立された労働者協同組合を、補助対象者に追加します。※従業員数が300人以下である者に限る。

(3)事前着手制度の対象期間及び対象類型の見直し

交付決定前に事業に着手できる、事前着手承認制度について、対象期間を令和4年度第二次補正予算の成立日である2022年12月2日以降に見直します。

また、本制度を活用いただける事業類型を最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠、サプライチェーン強靱化枠に限定します。

(4)産業雇用安定助成金との連携

業況の厳しい事業者が行う事業再構築を人材の育成・確保の面から効果的に促すため、令和5年度より産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)(仮称)が創設されます。

スケジュールは?

事業再構築補助金の第10回公募は、2023年3月下旬頃に開始され、その後順次発表になります。

また第10回と同じ令和4年度第二次補正予算にかかる公募として、第11回、第12回も予定されています。

いずれも2023年度末までに実施される見通しです。

いかがでしたか?

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この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。趣味は週7日の筋トレ。

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