経済産業省や医療などのDX化推進に活用できる補助金・助成金は?

兵庫県西宮市、尼崎市、宝塚市、神戸市等の補助金・助成金申請に強いカミーユ行政書士事務所です。

今回は最近話題の経済産業省や医療などで活用できるDX化推進の補助金、助成金について解説をしていきます。

DX関連に活用できる政府や自治体が実施する補助金・助成金をまとめて紹介します。

これからDXを検討している企業は、ぜひ参考にしてください。

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目次

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DXとは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略で、直訳すると「デジタル変革」という意味です。

DXはデジタル技術を社会に浸透させ、人々の生活をよりよいものへと変革することであり、ビジネスの領域に留まらずより広義な意味を持っています。

Transformationは英語で「変容」を意味するので、「デジタルによる変容」と訳します。

つまり、デジタル化によって社会やビジネスに変革をもたらすことです。また、経済産業省では、DXについて以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データ とデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

参考:経済産業省HP

例えば、居酒屋やファミレス、カフェなどの飲食店を中心に、メニューを注文する際にセルフオーダーができるタブレットやQRコードを採用しているお店が増えています。

これは、店側としてはわざわざ注文を聞きに行く手間が省けることにより人手不足の解消に繋がり、客側も定員を呼ぶ時間や手間を省けるだけではなく、コロナなどの感染予防対策等にも繋がります。

このように、デジタル技術の推進や普及により企業の活動を活性化するだけでなく、我々の日常生活までも、より便利で快適に変容していくことをDX化と言います。

DXの推進にはIT投資のための資金が必要になるので、補助金や助成金の利用がおすすめです。

ではDX化に活用できる補助金、助成金はどのようなものなのか解説をしていきます。

ものづくり補助金

ものづくり補助金(デジタル枠)は、中小企業がデジタル技術を活用した生産プロセスの改善や、革新的な製品・サービスの開発を行う際に、その経費の一部を補助する制度です。

今後働き方改革やインボイス等の制度変更に直面していく中で、DX推進により生産性向上を図りたい対象事業者はぜひ参考にしてください。

デジタル枠の補助率・補助上限額

【補助率】

2/3

【補助上限額】

従業員数5人以下:100万円~750万円

従業員数6~20人以下:100万円~1000万円

従業員数21人以上:100万円~1250万円

【デジタル枠の対象経費】

補助対象経費は、本事業の対象として明確に区分でき、また必要性や金額の妥当性を証拠書類で確実に証明できる以下の経費です。

・機械装置、システム構築費

・技術導入費

・専門家経費

・運搬費

・クラウドサービス利用費

・原材料費

・外注費

・知的財産権等関連経費

【ものづくり補助金の基本要件】

事業計画期間で下記の基準を全て満たす3~5年の事業計画を策定します。

・給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる。

(被用者保険の適用拡大である中小企業が、制度改革に先立ち任意適用を行う場合は、年率平均1%以上増加とします)

・事業場内最低賃金について、地域別最低賃金+30円以上の水準で毎年行う。

・事業者全体の付加価値額について、年率平均3%以上増加させる。

【デジタル枠の要件】

デジタル枠の追加要件は以下の3つです。

(1)「DXに寄与する革新的な製品・サービスの開発」または「デジタル技術の活用による生産プロセス・サービス提供方法の改善」を行う事業である

(2)経済産業省が公開しているDX推進指標を活用し、自己診断等を実施する

(3)応募申請時点で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が行う「SECURITY ACTION」の「★一つ星」もしくは「★★二つ星」のいずれかの宣言を実施している

IT導入補助金

中小企業・小規模事業者がITツール導入に活用できる補助金として「IT導入補助金」があります。

通常枠(A・B類型)

中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。

自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。

【セキュリティ対策推進枠】

中小企業・小規模事業者等のみなさまがサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。

【デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)】

中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。

【補助対象経費(通常枠、デジタル化基盤導入類型)】

補助金額は最大で450万円です。

ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は左記に加えハードウェア購入費が対象です。

【補助率】

通常枠とセキュリティ対策推進枠は補助率が1/2、デジタル化基盤導入類型は50万円以下だと3/4、50-350万円までは2/3となっています。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は金額が非常に大きいです。

IT投資金額の多くなるDXにおいては活用を検討できるものではないでしょうか。

【事業再構築補助金の申請要件】

①3~5年の補助事業において付加価値額を年率平均3~5%以上増加させること

②市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰に取り組む

③3~5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する

補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定します。

金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。

・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3-5%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3-5%(同上5.0%)以上増加の達成を見込む事業計画を策定します。

※付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。

売上の減少に関しては物価高騰対策・回復再生応援枠としてそのまま継続されます。

この枠を使う場合には2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が対2019~2021 年の同3カ月の合計売上高と比較して 10%減少していることを示すことになります。

【予算額、補助額、補助率】

予算額として、令和4年度第3次補正予算で、1兆1485億円が計上済。

本事業には「成長枠」、「グリーン成長枠」、「卒業促進枠」、「大規模賃金引上促進枠」、「産業構造転換枠」、「サプライチェーン強靭化枠」、「最低賃金枠」、「物価高騰対策・回復再生応援枠」の8つの事業類型があります。

それぞれの枠の補助上限経費は下記のようになっています。

この枠の中で申請が多いものとして成長枠、大規模賃金引上げ枠、最低賃金枠あたりが申請が多くなるものと思われます。

【補助対象経費】

建物費、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等が対象となります。

※補助対象外経費の例

・補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費

・不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費

・販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費 等

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、これからさまざまな制度変更に直面する小規模事業者を支援するための補助金です。

地道な販路開拓の取り組み(売り方の工夫や商品の改良・開発等)や、それと併せた業務効率化にかかる経費が補助されます。

なお、この補助金の対象となる小規模事業者の定義は次の通りです。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)常時使用する従業員の数 5人
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数 20人以下

小規模事業者持続化補助金を利用するには、以下3つをすべて満たす事業であることが必要です。

①「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取り組み、もしくはそれとあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取り組みである。

②商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む

③次のいずれにも該当しない:「国が助成するほかの制度と重複する」「1年以内に売上につながることが見込まれない」「射倖心をそそる、公序良俗に反する等」

【補助金額および補助率等】

小規模事業者持続化補助金の補助率および補助上限額は、以下のように定められています。

いずれか1つの枠組みで申請することが可能です。

なおインボイス特例があり、インボイス対象事業者になることで50万円の上乗せがあります。

​​

類型通常枠賃金引き上げ枠卒業枠後継者支援枠創業枠インボイス枠
補助率2/32/3
(赤字事業者については3/4)
2/32/32/32/3
補助上限50万円200万円200万円200万円200万円100万円

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを後押しするための制度です。

正社員化や賃上げなどの取り組みを実施した企業に対して助成がなされます。

DX推進のために人員体制を強化する、もしくはその他補助金の要件を満たすために賃上げを行うといった場合にご活用ください。

【支給を受けるための要件】

キャリアアップ補助金の支給対象となるには、以下の要件を満たす必要があります。(全コース共通)

①雇用保険適用事業所の事業主である

②事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いている

③キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局の受給資格の認定を受けている

④各コースの対象労働者に対する労働状況・勤務状況・賃金の支払い状況等を明らかにする書類により、賃金の算出方法を明示できる

⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組む

なお、助成を希望する事業主は、まずキャリアアップ計画を作成・提出し、次に就業規則の改正など、キャリアアップに取り組みます。

その後、対象労働者に6ヶ月間賃金を支払い、支給申請を行うという流れです。

【各コースの助成金額】

キャリアアップの助成金額は、コースごとに以下のように決まっています。

コース助成されるケース助成金額
正社員化コース有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換、もしくは直接雇用する有期→正規:1人あたり57万円<72万円>
無期→正規:1人あたり28万5,000円<36万円>
賃金規定等改定コースすべてまたは一部の有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を、2%以上増額改定し、昇給する1人〜5人:1人あたり32,000円<40,000円>
6人以上:1人あたり28,500円<36,000円>
賃金規定等共通化コース有期雇用労働者等に関して、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新設・適用する1事業所あたり57万円<72万円>
賞与・退職金制度導入コース有期雇用労働者等に関して賞与・退職金制度を新設し、支給もしくは積立てをする1事業所あたり38万円<48万円>
短時間労働者労働時間延長コース短時間労働者の週所定労働時間を延長、かつ処遇の改善を図って新たに社会保険の被保険者とする・短時間労働者の週所定労働時間を3時間以上延長し、新たに社会保険を適用
1人あたり22万5,000円<28万4,000円> ・労働者の手取り収入が減少しないよう、週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用
1時間以上2時間未満:1人あたり55,000円<70,000円>
2時間以上3時間未満:1人あたり11万円<14万円>

自治体のDX推進補助金

経済産業省の後押しを受けて都道府県や市町村で独自の自治体の補助金が公募されています。

お住いの地区によって異なりますので最新の情報をご確認下さい。

例えば下記のような感じで公募がなされています。

名古屋市の場合

「中小企業デジタル活用支援補助金」

名古屋市内の中小企業者が、デジタル技術を活用して経営課題の解決を目指す事業に対し、その経費の一部を補助します。

神奈川県の場合

「神奈川県県内産業DXプロジェクト支援事業」

社会課題の解決などに取り組む、DX製品やサービスの開発・改良プロジェクトを公募し、その開発及び改良を支援します。

広島県の場合

令和5年度 ものづくり現場IoT導入実証事業助成金」

広島県内のものづくり中小企業者によるデジタル技術の導入に向けた実証を支援します。

山口県の場合

「令和5年度ものづくり企業DX加速支援補助金」

ものづくり企業の生産性の向上や新たな付加価値の創出を目的として、事業者が実施するDXの取組を加速させるために必要な設備導入を支援します。

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この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。趣味は週7日の筋トレ。

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