専任技術者は現場代理人を兼務できるのか?

兵庫県西宮市で建設業許可専門のカミーユ行政書士事務所です。

今回のテーマは建設業許可において専任技術者は現場代理人を兼務できるのかについて解説をしていきます。

当事務所は補助金申請にも強いので建設業者に併せてご検討下さい。

建設業者の方々から非常に依頼が増えている補助金はこちら↓

重機などの購入に使えるので非常に使い勝手が良いです。

LINEでのお問い合わせはこちら

目次

専任技術者と現場代理人とは?

営業所の専任技術者については,建設業法において「営業所ごとに専任の者を置くこと」が規定されています。

また,営業所の専任技術者については,国のガイドラインにより「その営業所に常勤して専らその職務に従事する者」とされています。

現場代理人については,契約約款において,「この契約の履行に関し,工事現場に常駐し,その運営及び取締りを行うほか,請負代金額の変更,請負代金の請求及び受領,請求の受理,などこの契約に基づく乙の一切の権限

を行使することができる。」と規定されており,工事現場の常駐が記載されています。

公共工事において、その工事の請負業者は必ず現場代理人を現場に配置しなければなりません。

この事は「公共工事標準請負契約約款」という、各自治体が公共工事を業者に発注する際に、必ずその業者と結ぶ契約書の中で義務付けられています。

契約書の中に、建設業者は工事の現場に現場代理人を必ず置くよう記載があるため、もし置かなかった場合は、法律違反にはなりませんが、契約違反ということになります。

公共工事では契約上配置義務がある為、現場代理人は法律で配置が義務付けられていると勘違いされやすいですが、現場代理には法律上の配置義務はありません。

その点が、建設業法にその配置が義務付けられている主任技術者や監理技術者との最大の違いです。

ただし、民間の建設工事でも、特に大規模な工事においては、請負契約書の中で、公共工事同様に現場代理人の配置が規定がされるケースがあります。

その場合は、例え配置しなかったとしても、法律上は問題ありませんが、契約違反という別の法的問題が発生する可能性は大いにありますので注意しましょう。

現場代理人は専任技術者と兼務できるのか?

専任技術者は「その営業所に常勤して専らその職務に従事する者」とされています。

したがって現場代理人と兼務はできません。

一方で現場代理人は兼務が可能ですが、以下のような場合には兼務が可能となっています。

次の(1)から(5)のすべてを満たし,工事現場における運営,取締り及び権限の行使に支障が

ないと発注者が認めた場合,現場代理人の兼任を認めるものとするとされています。

なお,主たる工種が区画線工事の場合,次の(1),(2)及び(6)の全てを満たし,工事現場におけ

る運営,取り締まり及び権限の行使に支障がないと発注者が認めた場合は現場代理人の兼任を認めるものと

する。

(1) 兼任できる工事は3件までとし,それぞれの工事の当初請負金額の合計が7,000万円未満であること

 ※ 設計変更により,兼任する工事の請負金額の合計が7,000万円以上となった場合においては,受注者の都合により現場代理人を変更できるものとする。(現場代理人の負担軽減措置)

その場合は,「現場代理人等選任(変更)通知書」により現場代理人の変更手続きを行うこと。

(2) 発注者又は監督員と常に携帯電話等で連絡をとれること

(3) 兼任する工事は,同一市町村内又は工事現場の相互の間隔が概ね10km以内の範囲

(4) 発注者又は監督員が求めた場合には工事現場に速やかに向かう等の対応を行うこと

(5) 兼任する現場代理人は,必ず担当工事現場のいずれかに常駐するとともに,1日1回以上,担当工事現場を巡回し,現場管理等に当たること

(6) 兼任する現場代理人は,必ず担当する工事現場のいずれかに常駐するとともに,それぞれの現場稼働日は重複しないこと。

現場に配置する主任技術者や監理技術者は一定の要件を満たすものでなければなることはできませんし、現場に必置です。

そうなると、わざわざ現場代理人として主任技術者や監理技術者以外の人を選ぶ必要はあまりないです。

そのため、現場代理人は主任技術者や監理技術者が兼務することになる場合が多いです。

国土交通省HP

現場代理人になるための要件は?

現場代理人は、法律で規定されている事が「通知義務」以外にない為、現場代理人になる為の条件や資格は法律上は特になく、誰でもなる事ができます。

つまり会社の新入社員でも採用したばかりの中途社員でも派遣社員でもパートでも誰でも良いのです。

そもそも現場への配置義務がないので、例え配置したとしても駐在義務もありません。

公共工事は現場代理人の配置が、その契約の中で義務付けられている事は注意が必要です。

一方で、法律によって、公共・民間問わず現場への配置が義務付けられている技術者に主任技術者と監理技術者があります。

この両者はまったく別の根拠により配置が義務付けらえている為、公共工事を請け負った業者は、原則この両者をどちらも配置しなければなりません。

主任技術者と現場代理人について整理してみたいと思います。

主任技術者・監理技術者

技術的または品質的な側面から現場を指導・監督する事で工事を統括する(そのため一定の資格や実務経験がないとなれない)。工作物の品質を一定に保つための役割を期待されているイメージ(その為、建設業法によって配置が義務付けられている)。

現場代理人

建設業者(受注者)に代わって、契約に基づく一切の権限を有し、請負代金の請求、発注者など外部との連絡や交渉、また労務管理や安全管理なども行い、多方面から工事を統括する。発注者や労働者の管理により工事の円滑な推進を期待されているイメージ(その為、契約によって配置を義務付けるケースがある)。

請負業者からすると、現場代理人と主任技術者・監理技術者を両方配置するとなると、人員的な負担が大きくなります。

その為、公共工事の場合、同一現場に限り両者の兼務は認められています。

いかがでしたか?

お聞きしてみたいことがございましたらお気軽にお問い合わせください。

LINEでのお問い合わせはこちら

メールでのお問い合わせはこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。趣味は週7日の筋トレ。

目次