兵庫県西宮市で株式会社、合同会社などの会社設立専門のカミーユ行政書士事務所です。
今回は会社設立と許認可・届出が必要な業種は?について解説をしていきます。
また会社設立の際には補助金を活用すると事業展開がスムーズに運びます。
LINEでのお問い合わせはこちら
補助金情報はこちら
設立と同じタイミングで許認可を取得し、許認可業種について営業を開始したいのであれば、会社設立のプロセスにおいて「許認可取得をにらんだ会社組織」を構築していく必要があります。
例えば、建設業のケースであれば役員や従業員の構成を検討する必要があります。
飲食業であれば店舗や設備の設計に留意する必要があります。
許認可の取得を検討するためには、余裕を持ったスケジュールが必要不可欠です。
ギリギリのスケジュールを組んだ結果、検討不足で許認可の要件をみたせず、会社設計の変更・修正で大きくロスをするケースは少なくありません。
当事務所では会社設立のみならず許認可も同時に行うことができますし、補助金にも強いため判断に迷っている方は早めにご相談ください。
許認可の5つの種類
許認可の5つの種類、「届出」「登録」「認可」「許可」「免許」はどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの内容と対象となる主な業種は以下のとおりです。
届出
届出は、行政機関に法令で定められている事業内容を通知する手続きです。事業内容に違法性がなく、審査基準を満たしていれば、基本的に届出は受理されます。
届出が必要なのは、クリーニング店や深夜0時以降に営業する飲食店、探偵業、出会いサイト運営業、理容業、美容業、マッサージ業、有料駐車場業などが該当します。
登録
行政機関に書類を提出し、名簿に登録されることで事業を行える手続きを登録といいます。
届出とは異なり、名簿に登録されるまでは事業を始めることはできません。
また、登録の場合は、書類の提出や試験の合格など、登録の種類に応じた条件を満たす必要があります。
登録が必要な業種は、ホテル業や旅行代理店業、旅行業、ペットショップ、貸金業、電気工事業、解体工事業、ガソリンスタンド、倉庫業などです。
認可
認可は、事業者からの申請に対して、行政機関が一定の基準を満たしていると認める手続きのことです。
私立学校や警備業は必ず認可が必要ですが、保育園などは認可を受けなくても事業を行えます。
認可を受けていれば、補助金や助成金が受けやすくなる場合があります。
認可が必要な業種は、警備業、自動車運転代行業、自動車分解整備業、保育所、私立学校です。
許可
許可とは、行政機関に申請して審査に通過すれば、公共の安全や秩序の維持などの理由から禁止されている行為を行えるようになる手続きのことです。
許可が下りなければ、事業を行うことはできません。
飲食店は営業許可、従業員がお酌や会話を提供する料亭やバーなどは風俗営業許可、薬局は薬局開設許可などが必要です。
またリサイクルショップ、風俗業、質屋、飲食店業、食品製造業、ドラッグストア、ホテル・旅館、興行場運営業、病院・診療所、介護事業、建設業、労働者派遣業・職業紹介業、タクシー業、運送業なども許可が必要です。
免許
免許は、行政機関に申請し、一定の資格を持つ方が業務を行えることを認めてもらう手続きです。
免許がなければ、事業を行うことはできません。
免許が必要な職種として、美容師や看護師などが挙げられます。
また酒の製造業・販売業・卸業、不動産業も免許が必要です。
許認可が必要な業種と申請先
許認可が必要な業種とそれぞれの申請先は下記のようになります。
非常に多くの業種で必要なことが分かります。
どんな営業をするか | 許可申請書などの書式 | 提出先 |
酒類の小売販売をするとき | 酒類販売業免許申請書 | 販売店等の所在地を管轄する税務署長 |
酒類の製造をするとき | 酒類製造免許申請書 | 製造場の所在地を管轄する税務署長 |
たばこの小売販売を開始するとき | 小売販売業許可申請書 | JT(日本たばこ産業株式会社)を経由して財務大臣 |
旅館業を経営しようとするとき | 旅館業営業許可申請書 | 都道府県知事(保健所設置市は市長、特別区は区長) |
住宅宿泊事業(民泊業)を営業しようとするとき | 住宅宿泊事業届出書 | 都道府県知事(保健所設置市は市長、特別区は区長) |
住宅宿泊事業(民泊業)でホストと宿泊者とを仲介する事業を営もうとするとき | 住宅宿泊仲介業者登録申請書 | 観光庁長官 |
旅行業または旅行業者代理業を営もうとするとき | 新規登録申請書 | 観光庁長官または都道府県知事 |
風俗営業を営もうとするとき | 許可申請書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
店舗型性風俗特殊営業を営もうとするとき | 店舗型性風俗特殊営業営業開始届出書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
無店舗型性風俗特殊営業を営もうとするとき | 無店舗型性風俗特殊営業営業開始届出書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
映像送信型性風俗特殊営業を営もうとするとき | 映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
特定遊興飲食店営業を営もうとするとき | 許可申請書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
深夜における酒類提供飲食店営業を営もうとするとき | 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
インターネット異性紹介事業を始めようとするとき | 事業開始届出書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
興行場を経営しようとするとき | 興行場営業許可申請書 | (興行場の住所地を管轄する保健所を経由して)都道府県知事(保健所設置市は市長、特別区は区長) |
警備業を営もうとするとき | 認定申請書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
貸金業を営もうとするとき | 登録申請書 | 2以上の都道府県の区域内に営業所・事務所を設置する場合は財務局長。1つの都道府県の区域内にのみ営業所・事務所を設置する場合は都道府県知事 |
古物営業を営もうとするとき | 古物商・古物市場主許可申請書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
古物競りあっせん業(オークションサイト運営)を営もうとするとき | 古物競りあっせん業者営業開始届出書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
クリーニング業を営もうとするとき | クリーニング所開設届 | (所在地を管轄する保健所を経由して)都道府県知事 |
クリーニングの無店舗取次店を営もうとするとき | 無店舗取次店営業届 | (所在地を管轄する保健所を経由して)都道府県知事 |
揮発油販売業(ガソリンスタンド)を営もうとするとき | 揮発油販売業登録申請書 | 2つ以上の経済産業局の管轄地域に給油所を設置し営業する場合は経済産業大臣。1つの経済産業局の管轄地域にのみ給油所を設置し営業する場合は経済産業局長 |
高圧ガスの製造をしようとするとき | 高圧ガス製造許可申請書 | 都道府県知事 |
高圧ガスを貯蔵するとき(第1種貯蔵所) | 第1種貯蔵所設置許可申請書 | 都道府県知事 |
質屋業を営もうとするとき | 質屋許可申請書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
飲食店営業を始めようとするとき | 営業許可申請書 | (保健所を経由して)営業所の所在地の都道府県知事(保健所設置市は市長、特別区は区長) |
つけ物製造業を営もうとするとき | 営業許可申請書(つけ物製造業は条例許可業種のため、地域により書類名は異なります) | 保健所 |
美容所を開設しようとするとき | 美容所開設届 | 都道府県知事(保健所設置市は市長、特別区は区長) |
探偵業を営もうとするとき | 探偵業開始届出書 | (所轄の警察署長を経由して)都道府県公安委員会 |
動物の取扱業(動物の販売、保管、貸出、訓練、展示等)を営もうとするとき | 第一種動物取扱業登録申請書 | (所在地を管轄する保健所を経由して)都道府県知事(政令指定都市の場合は市長) |
金融商品取引業を始めようとするとき | 登録申請書 | (財務事務所を経由して)財務局長 |
墓地、納骨堂または火葬場の経営をしようとするとき | 墓地経営許可申請書(各自治体により、名称が異なる場合があります) | 都道府県知事(市の場合は市長、特別区の場合は区長) |
電気工事業を営もうとするとき | 登録電気工事業者登録申請書 | 経済産業大臣、産業保安監督部長または都道府県知事 |
一般廃棄物の収集運搬を業として行うとき | 一般廃棄物収集運搬業許可申請書 | 市長村長(東京都特別区の場合は清掃協議会) |
産業廃棄物の収集運搬を業として行うとき | 産業廃棄物収集運搬業許可申請書 | 都道府県知事 |
老人居宅生活支援事業を開始しようとするとき | 老人居宅生活支援事業開始届 | 都道府県知事(指定都市または中核市の市長) |
老人デイサービスセンター等の施設を設置しようとするとき | 老人デイサービスセンター等設置届 | 都道府県知事(指定都市または中核市の市長) |
病院を開設しようとするとき | 病院開設許可申請書 | (保健所を経由して)開設地の都道府県知事 |
薬局を開設しようとするとき | 薬局開設許可申請書 | (保健所を経由して)開設地の都道府県知事(保健所設置市は市長、特別区は区長) |
医薬品、医薬部外品、化粧品の製造販売を業として行おうとするとき | 医薬品・体外診断用医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品製造販売業許可申請書 | (都道府県知事を経由して)厚生労働大臣 |
一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー・ハイヤー事業)を経営しようとするとき | 一般乗用旅客自動車運送事業許可申請書 | (申請に関する土地を管轄する運輸監理部長または運輸支局長を経由して)国土交通大臣または地方運輸局長 |
一般貨物自動車運送事業(トラック事業・運送業)を始めようとするとき | 一般貨物自動車運送事業経営許可申請書 | (申請に関する土地を管轄する運輸監理部長または運輸支局長を経由して)国土交通大臣または地方運輸局長 |
自動車解体業を営もうとするとき | 解体業許可申請書 | 都道府県知事 |
倉庫業を営もうとするとき | 倉庫業登録申請書 | (主たる営業所の所在地を管轄する地方運輸局長を経由して)国土交通大臣 |
建設業を営もうとするとき | 建設業許可申請書 | 2つ以上の都道府県の区域内に営業所を設ける場合国土交通大臣。1つの都道府県の区域内にのみ営業所を設ける場合は都道府県知事 |
宅地建物取引業(不動産業)を始めようとするとき | 免許申請書 | 2つ以上の都道府県の区域内に事務所を設置する場合は国土交通大臣。1つの都道府県内のみに事務所を設置する場合は都道府県知事 |
マンション管理業を営もうとするとき | 登録申請書 | 本店所在地を管轄する地方整備局(国土交通省) |
許認可を取得しない場合の罰則
許認可を取得しないと大きなペナルティが課されることになります。
想像を超えるような厳しいものになりますので是非適切なスケジュールを組んで取得していくようにしましょう。
下記は代表的な業種の事例で紹介をさせて頂きます。
①建設業を無許可で行った場合
建設業を行う場合には、許認可が必要になります。
この許認可を得ずに建設業を行った場合には、『3年以下の懲役又は300万円以下の罰金』が科されます。
一方、許可申請書等を虚偽申告した場合には『6か月以上の懲役又は100万円以下の罰金』が科されます。
また、罰金以上の罰則を受けた業者は原則許可が取り消しされます。また、罰則後5年以上が経過しない場合には許可を取得できません。
②飲食店の無許可営業
飲食店の営業を行うには、許認可が必要です。
食品を調理して提供する営業行為を行った場合には飲食店営業の許可が必要になり、無許可での営業を行った場合には法律違反となり罰則が科されます。
未許可での営業については、食品衛生法や風営法に違反になり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科されます。
また許認可を得ているようにみせるいわゆる虚偽での営業や名義貸しでの営業も同様に、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科されます。
また飲食店においては、深夜営業は別途届け出が必要になります。
深夜営業の届出がないのに、深夜営業を行うのも風営法違反になり、50万円以下の罰金が科されます。
③中古物品の売買を無許可で行った場合
最近、メルカリなどのスマートフォンを利用して簡単に中古品の売り買いができる環境になっています。
しかし、原則として中古品の転売を業とするには『盗品の流通防止』や『盗品の早期発見』を目的として古物商の許可が必要になります。
中古品の転売を業とするという事は、転売を目的に中古の品を買う事をいいます。
この許可がないのに、転売を業とすると刑罰の対象となります。
罰則としては『3年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくは併科』となります。
また無許可営業で処罰がされた場合には、処罰が決定してから5年間古物商の許可を得る事ができません。
名義を借りて中古品の転売を行った場合も同様に、『3年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくは併科』となります。
3つの業種の事例を紹介させて頂きましたが、一度無許可営業が監督官庁から発見されると、それから5年の許可が得られなくなります。
つまり、無許可営業に対して罰則があるうえに、同じ業種で再度事業を行う事がかなり困難です。
いかがでしたか?
お聞きしてみたいことがございましたらお気軽にお問い合わせください。
LINEでのお問い合わせはこちら
メールでのお問い合わせはこちら