兵庫県西宮市で障害福祉サービス事業者指定申請を取り扱っているカミーユ行政書士事務所です。
当事務所では西宮市以外にも大阪府や神戸市、尼崎市、宝塚市、伊丹市、芦屋市等の障害福祉サービス指定申請も行っております。
今回は「児童発達支援管理責任者」について解説をしていきます。
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児童発達支援管理責任者とは
児童発達支援管理責任者とは、児童福祉法で定められた障害児支援の施設において、児童や家族へのアセスメントに基づく個別支援計画を作成し、現場をリードする役割を担う職種・資格です。
児童発達支援センターや、児童発達支援事業、放課後等デイサービスなど児童福祉法に定められた施設で、発達の遅れが気になる子ども(ADHDや自閉症スペクトラム障害、学習障害などの子ども)とのかかわりを通して、施設の療育をリードする役割をいいます。
行政からの指定を受けて、利用者が1割負担でサービス利用できるには、必ず1名以上の児童発達支援管理責任者が常勤で必要です。
児童発達支援(未就学児)の施設が全国で約5000事業所、放課後等デイサービス(小学生以上)が約10000事業所。
児童発達支援は幼児教育無償化対象ともなり、今後ますます児発管の仕事のニーズが高まります。
この資格を取得するためには、実務経験の要件を満たしたうえで研修を修了することが必要です。
非常に複雑な「実務経験の要件」
まず確認したいのは、児童発達支援管理責任者になるための実務経験の要件ですが、これが非常に複雑です。
要件で見るべきポイントは従事してきた「施設」「業務内容(相談/直接支援)」「国家資格の有無」の3つです。
簡単にまとめると、以下のいずれかに該当していることが要件となります。
①5年以上の相談支援業務の経験があること※
②8年以上の直接支援業務の経験があること※
③いずれかの国家資格を持ち、実務経験を満たしていること
※①と②については、高齢者分野の実務経験も実務経験年数に含めることはできるが、児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要
実務経験に含まれる業務の範囲は都道府県ごとに独自に設定していることもあるので、自分が申し込みをする都道府県の要件を必ず確認しましょう。共通する部分については以下の通りです。
①5年以上の相談支援業務の経験がある場合
下記に記した施設において、相談支援業務に通算5年従事していることが必要です。
ここでの実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であることを指します。
例えば「5年以上の実務経験」とは、業務に従事した期間が5年間で、実際に従事した日数が900日以上ということを指します。
<ア:相談支援事業に従事する者>
・地域生活支援事業
・障害児相談支援事業
・身体障害者相談支援事業
・知的障害者相談支援事業
<イ:相談機関等において相談支援業務に従事する者>
・児童相談所
・児童家庭支援センター
・身体障害者更生相談所
・精神障害者社会復帰施設
・知的障害者更生相談所
・福祉事務所
・発達障害者支援センター
<ウ:施設等において相談支援業務に従事する者>
※老人福祉施設
※介護老人保健施設
※地域包括支援センター
※救護施設
※更生施設
・障害児入所施設
・乳児院
・児童養護施設
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
・障害者支援施設
・精神保健福祉センター
<エ:就労支援に関する相談支援の業務に従事する者>
・障害者職業センター
・障害者就業・生活支援センター
<オ:学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)において相談支援の業務に従事する者>
・幼稚園
・小学校
・中学校
・義務教育学校
・高等学校
・中等教育学校
・特別支援学校
・高等専門学校
<カ:医療機関において相談支援業務に従事するもので、次のいずれかに該当する者>
・病院
・診療所
ただし、社会福祉主事、相談支援専門員等、保育士、児童指導員、障害者社会復帰指導員であって、上記ア~オの実務経験 年数が1年以上のもの
※老人福祉施設、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センターなどの高齢者分野での相談支援業務に従事してきた場合、この期間も実務経験年数に含めることはできますが、これらの業務以外に児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要です。
②8年以上の直接支援業務の経験がある場合
下記に記した施設において、直接支援業務に通算8年従事していることが必要です。
ここでの実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であることをいいます。
例えば「5年以上の実務経験」とは、業務に従事した期間が5年間で、なおかつ実際に従事した日数が1440日以上ということを指します。
<ア:施設等において介護業務に従事する者>
※老人福祉施設
※介護老人保健施設
※病院又は診療所の療養病床関係病室
・障害児入所施設
・助産施設
・乳児院
・母子生活支援施設
・保育所
・幼保連携型認定こども園
・児童厚生施設
・児童家庭支援センター
・児童養護施設
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
・障害者支援施設
<イ:事業所等において介護業務に従事するもの>
※老人居宅介護等事業
・障害児通所支援事業
・児童自立生活援助事業
・放課後児童健全育成事業
・子育て短期支援事業
・乳児家庭全戸訪問事業
・養育支援訪問事業
・地域子育て支援拠点事業
・一時預かり事業
・小規模住居型児童養育事業
・家庭的保育事業
・小規模保育事業
・居宅訪問型保育事業
・事業所内保育事業
・病児保育事業
・子育て援助活動支援事業
・障害福祉サービス事業
<ウ:医療機関等において介護業務に従事する者>
・保険医療機関
・保険薬局
・訪問看護事業所
<エ:障害者雇用事業所において就業支援の業務に従事するもの>
※特例子会社
※助成金受給事業所
<オ:学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)>
・幼稚園
・小学校
・中学校
・義務教育学校
・高等学校
・中等教育学校
・特別支援学校
・高等専門学校
※老人福祉施設や介護老人保健施設、療養病床関係病室、老人居宅介護等事業などの高齢者分野での直接支援業務に従事してきた場合、または特例子会社、助成金受給事業所で障害者の就労支援に従事してきた場合には実務経験年数に含めることはできますが、これらの業務以外に児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要です。
③国家資格と実務経験がある場合
社会福祉士や介護福祉士などの国家資格などを所有している場合は、「+実務経験」で資格の要件を満たす場合があります。
●社会福祉主事任用資格などで5年
以下のいずれかに該当する場合には、直接支援業務の経験が通算5年必要です。
1)社会福祉主事任用資格
2)相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了する等により相談支援の業務を行うために必要な知識及び技術を 習得したものと認められるもの
3)保育士又は国家戦略特別区域限定保育士
4)児童指導員任用資格者
5)精神障害者社会復帰指導員任用資格者
●国家資格を持って5年
以下の国家資格等を取得して5年以上従事している場合には、相談支援業務または直接支援業務の経験が通算3年以上必要です。
社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、保健師、助産師、看護師、准看護師、管理栄養士、栄養士、医師、歯科医師、薬剤師
また研修を受講する必要があり、3つの研修のタイプがあります。
研修スケジュールはこちらをご覧ください。
基礎研修
もともと、児童発達支援管理責任者になるための研修には、「相談支援従事者初任者研修」と「児童発達支援管理責任者研修」がありました。しかし、研修制度が見直され2019年より新しい研修制度が作られました。
制度の見直しに伴って、2つの研修が一つになったものが「基礎研修」です。これまで分野ごとに分かれて行われていた研修を統合し、共通のカリキュラムによって実施されるようになりました。
研修内容は、児童発達支援管理責任者の基本姿勢とサービス提供のプロセスに関する講義(7.5時間)と、サービス提供プロセスの管理に関する演習(7.5時間)となっています。
実践研修
実践研修は新しく創設された研修です。
研修の内容は、以下の通りです。
- 障害福祉の動向に関する講義(1時間)
- サービス提供に関する講義及び演習(6.5時間)
- 人材育成の手法に関する講義及び演習(3.5時間)
- 多職種及び地域連携に関する講義及び演習(3.5時間)
実践研修を受講するには、基礎研修を修了した後から実践研修を受講するまでの5年間のうち、指定障害児入所施設等において、2年以上の相談支援または直接支援業務の業務経験があることが必要になります。
つまり、基礎研修を修了した日から2年間OJTをして、一部の業務にあたることが求められています。
更新研修
更新研修も新たに設置されたもので、実践研修のあとに受ける研修です。
研修内容は、以下となっています。
- 障害福祉の動向に関する講義(1時間)
- サービス提供の自己検証に関する演習(5時間)
- サービスの質の向上と人材育成のためのスーパービジョンに関する講義及び演習(7時間)
更新研修を受けるためには、実践研修を修了したのち、現在指定障害児入所施設等において児童発達支援管理責任者として従事しているか、もしくは実践研修を修了後、更新研修が始まるまでの5年間のうち通算して2年以上児童発達支援管理責任者として従事していた経験を持っていることが必要になります。
また、更新研修は5年ごとに受講することも必要になってきます。
いかがでしたか?お気軽にお問い合わせください。