就労継続支援B型サービスを始めるには?

栃木県宇都宮市にて障害福祉サービス事業者指定申請を取り扱っているカミーユ行政書士事務所です。

今回のテーマは就労継続支援B型サービスを始めるには?という内容で解説をしていきます。

就労継続支援B型サービスの許可(指定)要件

就労継続支援B型の指定をもらうためには、許可の基準を満たしていなければなりません。

障がいのある方が安心して利用できるように、次のような基準をクリアする必要があります。

①ヒトの要件(人員基準)

就労継続支援B型を始めるには、障がいのある方の支援・介助を行うために必要な知識、資格を持ったスタッフが一定数必要になります。

【管理者】

  • 必要人数・・・常勤で1名以上
  • 必要資格・・・特になし
  • 必要経験・・・特になし

仕事の内容・・・管理者は、主に事業所全体の管理業務を行います。スタッフの指示・管理や行政が実地調査に来たときの対応などを行う仕事です。

基本的には、事業所に常駐していなければいけないので、常勤(=フルタイムで勤務)の方でなければ管理者業務は出来ません。

管理業務に支障がなければ、その他の業務を兼務することが可能です。

【サービス管理責任者】

  • 必要人数・・・利用者60人以下:1名以上(1名以上は常勤であること)
  • 必要資格・・・あり
  • 必要経験・・・あり

サービス管理責任者になるためには、「資格」「実務経験」「研修受講」という3つの条件をクリアする必要があります。

【職業指導員及び生活支援員】

必要人数・・・利用者数÷10 以上で、職業指導員1人以上・生活支援員1人以上

(職業指導員、生活支援員のうち、1人以上は常勤であること)

→例えば、利用者の定員が20名の作業所を立ち上げる場合、最初は利用者数が0人なので、定員×90%を利用者数として、次のように必要な人数を算出します。

(定員20人×90%)÷10=1.8人

①職業指導員 1人

②生活支援員 1人

①②あわせて1.8人いればOK、ただし1人以上は常勤でなければいけないので、

①職業指導員  1日8時間×5日=週40時間働く常勤 = 1人

②生活支援員  1日8時間×4日=週32時間働く非常勤 =0.8人

合わせて1.8人以上になれば問題ありません。

必要資格・・・特になし

必要経験・・・特になし

仕事の内容・・・職業指導員や生活支援員は、現場で利用者の方に必要とする支援や障がいにより手助けが必要な方の介助を行います。

②バショの要件(設備基準)

就労継続支援B型の作業所を始める物件についても、かなり細かい基準が決められています。

「広いし、家賃も安いし、ここで決めよう」

「自宅に部屋が余っているからそこで作業所をしよう」

と思っている方は注意してください。

物件を決めてしまってから、その場所では許可(指定)が下りなかった・・・と困っている方が多いので、事業所の物件は慎重に決めましょう。

【訓練・作業室】

実際に利用者の方に就労してもらうスペースです。

段差や傾斜がなく、安全な広さが確保できるかがポイントです。

指定を行う自治体により基準は異なりますが、だいたい利用者1名につき3㎡程度の広さを確保しなければいけません。

定員20名であれば、20×3=60㎡程度の広さが必要ということです。

【相談室】

相談室は、利用者の方やそのご家族が相談に来られた際に対応するスペースです。

広さの規定は特にありませんが、実際に相談を行う場合、事業所の担当者、利用者の方とご家族、担当のケースワーカーなどが同席しますので、だいたい3~4人が座れる空間が必要になります。

個室を確保することが難しい場合は、他の部屋の一角を区切ってスペースを作ることも可能ですが、個人情報・プライバシー保護の観点から、ある程度しっかりと間仕切りをする必要があります。

高さの足りないパーテーションや、半透明のカーテンなどではプライバシーが保てないので、指定を受けられないこともあります。

【多目的室】

多目的室は、利用者の方の親睦やミーティングなどに使われるスペースです。

常に利用する部屋ではないので、支障がないようであれば、相談室との兼用でも可能です。

その他、利用者の方の障害の特性に対応した設備が必要になります。

例えば、車椅子の方を受け入れるのであれば、トイレや洗面所に手すりを設置したり、段差や傾斜の解消なども必須項目になります。

他の法律も要注意

障害者総合支援法では、上記のような設備基準が設けられていますが、その他の法律でも、事業を行うことに関して色々な要件・規制があります。

設備基準をクリアしたとしても、他の法律上事業ができない物件であれば就労継続支援B型の事業所として指定を受ける事は出来ませんので、注意が必要です。

①消防法上問題がないか要チェック

消防法では、建物の使用用途に応じて、消防設備の配置が義務付けられています。

普通の会社の事務所や店舗より、障害をお持ちの方や高齢者・子供などが通う事業所の方が、安全性を配慮してより厳しい基準が設けられています。

事業所の広さや定員、同じビルやフロアに入っているテナントにより基準は異なります。

消火器や誘導灯の配置だけで済む場合もあれば、スプリンクラーなどの大掛かりな消火設備を導入しなければならなかったり、ビル全体に報知機を設置しなければならなくなったりする場合もあります。

事前に消防署で確認せずに物件を借りてしまい、後から莫大な消防設備費用がかかった・貸主が設備をつける事を承諾してくれず、結局借りたのにB型作業所が出来なくなってしまった、なんて事にならないよう注意が必要です。 

②建築基準法上問題がないか要チェック

建物を建てる際、居住用・事業用・工場用など、使用する用途を決めて申請します。

これを建築基準法で「用途」と言います。

たとえば、就労継続支援B型作業所を行うために民家を借りたとすると、おそらくその建物の用途は「一戸建て住宅」などになっていると思います。

その用途を変更する「用途変更確認申請」という手続きが必要になってくる場合があるのです。

使用する物件の面積が100㎡を超える場合、「用途変更確認申請」が必要になりますので、注意が必要です。

用途変更を行う場合は、建築士の方や設計事務所などに相談することをお奨めします。

場合によっては、建てた当時の「検査済証」という証明が出ない物件だったり、安全性を調べるために大掛かりな検査が必要だったりすると、用途変更自体が出来ない、という物件もありますので、こちらも借りる前に必ず、「広さは100㎡を超えているのか」「用途変更が必要な物件なのか」確認する必要があります。

③運営上の要件(運営基準)

就労継続支援B型を始めるにあたって、運営に必要とされる基準は次のようなものです。

  • 事業の目的及び運営の方針
  • 職員の職種、員数及び職務の内容
  • 営業日及び営業時間
  • 利用定員
  • 就労継続支援A型の内容並びに利用者から受領する費用の種類及びその額
  • 通常の事業の実施地域
  • サービスの利用に当たっての留意事項
  • 緊急時等における対応方法
  • 非常災害対策
  • 事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合には当該障害の種類
  • 虐待の防止のための措置に関する事項
  • その他運営に関する重要事項

上記のような重要事項を「運営規程」と呼ばれるルールブックに定めておく必要があります。

就労継続支援B型の指定の取り方

法人を作って、必要な要件をクリアできたら、いよいよ就労継続支援B型の指定をもらうための申請(=指定申請)の準備に入ります。

①まずは、管轄の自治体を確認する。

障害福祉サービスの指定は、原則都道府県が行っています。

指定都市・中核市については、都道府県から指定の権限が移譲されているので、注意が必要です。

②管轄自治体へ「事前相談」「図面協議」に行く。

「事業所の物件を借りました!」「人も採用しました!」「申請書類を持ってきたので許可をください」と、いきなり就労継続支援B型の申請を行っても、

  • 「この物件ではダメです」
  • 「この方はサービス管理責任者の要件を満たしていません」

と却下されてしまうと大変ですよね。

そうならないためにも、必ず事前に自治体へ相談に行くようにします。

いきなり窓口へ行っても、担当者が不在だったり、窓口業務に対応していない場合がありますので、まずは電話で相談に行きたい旨を伝えて予約を取るようにしましょう。

③必要書類の準備

事前の相談が終わったら、いよいよ申請に必要な書類を準備します。

就労継続支援B型事業所の指定申請に必要な書類は、次の通りです。

指定申請に係る提出書類一覧表
指定申請書
役員名簿
指定に係る記載事項
定款又は寄附行為もしくは条例等
履歴事項証明書(原本:3ヶ月以内発行のもの)
従業者等の勤務体制及び勤務形態一覧表
組織体制図
管理者の経歴書
サービス管理責任者の経歴書
資格証の写し
サービス管理責任者の実務経験証明書
相談支援従事者初任者研修 受講証明書
サービス管理責任者研修(就労) 受講証明書
研修等受講誓約書
従業者の資格を証明するもの
事業所(施設)の平面図
事業所(施設)内外の写真
土地・建物にかかる賃貸借契約書、登記事項証明書等
建築基準法に基づく確認申請書、検査済証
建築士による採光換気証明書または法人による採光換気計算書
防火対象物使用開始届(消防署へ届出を行った申請書の写し)
居室面積等一覧表
設備・備品等一覧表
運営規程
利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
協力医療機関(協力歯科医療機関)との契約内容
財産目録
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第36条第3項各号の規定に該当しない旨の誓約書
案内図
指定障害福祉サービスの主たる対象者を特定する理由
事業計画書
収支予算書
損害賠償発生時の対応方法を明示する書類(損害保険証書等)
障害福祉サービス事業等開始届
介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書
訓練等給付費の算定に係る体制等状況一覧表
加算を算定する場合に必要な書類(介給別紙等)
福祉・介護職員処遇改善(特別)加算を算定する場合に必要な書類 (届出書、計画書、就業規則、給与規程、労働保険関係書類等)
業務管理体制の整備に関する事項の届出書

申請時には、採用予定の方の資格の証明書や経歴書、設備や備品などが全て揃った状態の写真を提出しますので、「いつでも作業所をスタートできます」という状態まで準備をしなければ申請を行うことはできません。

  • 「誰かわからないけど今から募集して採用します」
  • 「まだ物件が決まってないけど作業所をやることは決めたので申請します」

という状態では申請を受け付けてもらうことは出来ません。

④申請の受理

申請書類を提出して、受理してもらうまでに、最低でも2~3回は自治体の窓口へ行くことになります。

細かい記載方法や不足資料などを追加で求められたり、確認点や修正点が出てきますので、1回目の申請で受理されることはまず無いと思っておいた方がいいでしょう。

⑤実地確認

自治体により異なりますが、実際に事業所物件を担当者が確認に来る場合があります。

申請の時に出した平面図通りの広さ・間取りが確保されているのか、本当に職員を採用(または指定の予定日までに採用を予定)しているのか面接を行ったりします。

⑥指定書(許可書)の交付

申請書類・実地確認で問題が無ければ、指定書が交付されます。

申請書類が受理されてから、指定書が交付されるまでの審査期間は、だいたい2か月程度です。

特別な理由がなければ、指定は毎月1日に下りるので、たとえば「来年の1月1日に就労継続支援B型の作業所をオープンしたい!」という場合、10月中には申請を受理してもらう必要があります。

障害福祉サービス
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