兵庫県西宮市にて障害福祉サービス申請に強いカミーユ行政書士事務所です。
今回は「就労継続支援A型」をテーマに解説していきます。
当事務所では西宮市以外にも大阪府や神戸市、尼崎市、宝塚市、伊丹市、芦屋市等の障害福祉サービス指定申請も行っております。
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就労継続支援A型って何?
就労継続支援A型とは、2013年4月に施行された「障害者総合支援法」にもとづいた障害や難病がある人に対する就労支援サービスのことを言います。
障害者総合支援法は、それまで施行されていた障害者自立支援法の内容を精査し、問題点を改正して作られた法律です。
障害や難病がある人が、個人個人の障害や病気の程度により、ニーズに応じた組み合わせでさまざまな福祉サービスを利用することができるようになっています。
そして、障害や難病を持っていても、サポートを受けながら働きたいというニーズに対応しているのが就労継続支援A型という福祉サービスになります。
就労継続支援A型事業所の指定条件
就労継続支援A型事業所の指定を受けるためには、以下の三つの基準を満たす必要があります。
1.従業員の配置、技能、人員配置等に関する基準(人員基準)
2.事業所に必要な設備等に関する基準(設備基準)
3.サービスを提供するにあたって、事業所が行わなければならない事項や留意すべき事項など事業を実施する上で求められる運営上の基準(運営基準)
この3つの基準は、就労継続支援A型事業所の指定を受けた後も継続して満たし続ける必要があります。
また、就労継続支援A型事業者は利用者が職場へ定着できるよう、障害者就業・生活支援センター等の関係機関と連携して、利用者が就職した日から六か月以上職業生活における相談等を行い、支援の継続に務めなければならないという運営基準における規定があります。
なお、申請者が法人ではない場合や、事業所の従業員の知識と技能、並びに人員が上記の三つの条件を満たしていない場合、申請者が指定を取り消された時点又は法人の役員などが禁錮や罰金を受けてから五年以上経過していない場合には、就労継続支援A型事業所の指定を受けることはできません。
就労継続支援A型の対象者ってどんな人?
就労継続支援A型で福祉サービスを受けることができる人の条件は、以下の通りです。
身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病等の障害があること
就労継続支援A型のサービスを受けるには障害者手帳を持っていることが条件であると思われがちですが、必ずしも障害者手帳が必要なわけではありません。
医師の診断や定期的な通院がある場合などには、障害者手帳がなくても就労継続支援A型の支援サービスを受けることが可能な場合もあります。
お住いの自治体の障害福祉窓口に一度問い合わせてみることをお勧めします。
雇用契約の内容にもとづいて継続的に働くことができること
サービス利用開始の時点で18歳以上65歳未満であること
就労移行支援事業所を利用したが、一般枠でも障害者枠でも就職できなかった人、特別支援学校を卒業後に就職活動を行ったが就職に結びつかなかった人、一般の企業などでの就労経験はあるが障害や難病等の理由により離職し、現在雇用関係がない人などが挙げられます。
就労継続支援A型事業所で働く人は、労働者かつ利用者として位置づけられ、平成30年9月時点では、約6.9万人の人が就労継続支援A型のサービスを利用しています。
その内訳は、身体障害者が13,168人、知的障害者が23,824人、精神障害者が31,374人です(国保連データ平成30年9月より)。
就労継続支援A型は雇用契約を結んで働くことができる
就労者継続支援にはA型とB型があるのですが、事業所と雇用契約を結んだうえで就労するのはA型のみです。
また、ただ単に就労するだけではなく、その後の就労に必要な技術や知識をつけながら訓練を行っていきます。
就労継続支援A型のサービスを受けることができるのは、サービス開始時の年齢が65歳未満で、就労移行支援事業を利用したが企業との雇用契約に結びつかなかった人や、特別支援学校の卒業生で就職活動を行ったが、一般企業への雇用に結びつかなかった人などです。
就労継続支援A型の勤務内容は能力によってさまざま
就労継続支援A型のサービスを受けて雇用される場合、その能力によってさまざまな仕事に就くことができます。
基本的な勤務内容は一般雇用と大きな差がない
就労継続支援A型の事業所に雇用される場合、その勤務場所はさまざまです。
たとえば、レストランやカフェのホールスタッフ、工場での作業、データ入力、また農作業やパン作りなどがあり、雇用の場は接客業から内勤のものまで色々あります。
しっかり情報を集め、自分に合った事業所を選ぶようにしましょう。
一般雇用に比べると勤務時間が短く設定されている
就労継続支援A型と一般雇用の大きな違いは、1日あたりの勤務時間が短く設定されていることです。
ただし、これは雇用主となる事業所によって違いがあり、4時間程度の就労となる事業所もあれば、可能と判断された場合は8時間の就労となる事業所もあります。
就労継続支援A型の給与体系はどうなっているのか
雇用契約を結んでの就労となる就労継続支援A型ですが、いったいどれくらいの給料を得ることができるのでしょうか。
雇用契約を結んでいるので最低賃金が保証されている
雇用契約を結んでの就労となる就労継続支援A型では、最低賃金以上の時給が保証されています。
ただ同じ事業所であっても、一般雇用の給料と比べると低くなってしまうのが現状です。
就労継続支援A型で雇用された場合の月額給与の平均は、平成30年度で76,887円となっています。
しかし、平成26年までは減少傾向にあった就労継続支援A型の平均給与は、近年緩やかに増加してきています。
前年度の所得によってはサービス利用料を支払うことも
就労継続支援A型のサービスを受ける前年の年収入によっては、利用料が発生し、給与から差し引かれてしまう場合もあるので注意が必要です。
原則的に生活保護を受けている人や低所得者は利用料の負担はありません。
所得割16万円未満の市町村民税課税世帯は「一般1」に分類され、月額負担上限が9,300円、それ以外の場合は「一般2」に分類され、月額負担上限が37,200円となります。
就労継続支援A型の利用方法・利用料金について
応募する前
就労継続支援A型事業所で福祉サービスを受けながら働くためには、まず働きたいと思う就労継続支援A型事業所をインターネットの障害福祉サービス検索サイトや職業安定所で見つけます。
このとき、その就労継続支援A型事業所でどのような仕事ができるのか、最低週に何日、何時間働く必要があるのか等の条件をよく見て、自分に合いそうなものかどうかをしっかり確認します。
自分に合った就労継続支援A型事業所が見つけ、事業所に連絡し、応募に際してどのような手続きが必要かを聞いておきましょう。
選考~利用開始まで
選考は、履歴書を送付し書類選考があり、書類選考を通過後面接という流れになるのが一般的です。
また、履歴書を持参して面接に赴くケースもあります。
面接に合格したら、市区町村の窓口を通して就労継続支援A型のサービスを受けるための手続きを行います。
この手続きを行う際には、まず市区町村の担当調査員による生活状況の聞き取り調査を受けます。
次に、どのサービスをどのように利用したいのかということを説明する「サービス等利用計画案」の作成が必要です。
このサービス等利用計画書を市区町村の窓口に提出すると、就労継続支援A型のサービスを受けるために必要な受給者証が発行されます。
この就労継続支援A型の受給者証が発行されて初めて、就労継続支援A型事業所で福祉サービスを受けながら働くことが可能になり、ここで勤務開始となるのです。
利用料金について
就労継続支援A型作業所で働く人は、サービスの利用者兼労働者という立場になるため、収入条件によってはサービスの利用料金を支払う場合があります。
生活保護受給世帯や、市区町村民税非課税世帯の人は利用料金は必要ありません。
条件は以下の通りです。
区分 | 利用料 |
生活保護受給世帯市区町村民税非課税世帯 | 無料 |
市区町村民税課税世帯のうち概ね年収600万円以下の世帯 | 9,300円 |
年収600万円以下の世帯で、20歳以上のクループホーム・入所施設利用者市区町村民税課税世帯のうち概ね年収600万円以上の世帯 |
就労継続支援A型はどうやったら利用することができるのか
それでは、就労継続支援A型のサービスを受けたいと考えている場合、どのようにすれば支援を受けることができるのでしょうか。
ハローワークなどでA型求人を探して申し込みをする
ハローワークや自治体の障がい福祉窓口で、A型事業所の求人を紹介してもらうことができます。
もしくは支援事業所に直接問い合わせをします。
まずは求人を探し、自分の能力や希望にあった求人を見つけたら履歴書を送りましょう。
採用が決まったら各自治体の窓口で利用申し込みを行う
履歴書を送り、面接などの選考過程を経て採用が決まると、今度は自治体の窓口に行き、就労継続支援A型の利用申し込みの手続きを行います。
その際、どのサービスをどう利用するのかを明確にした「サービス等利用計画案」を作成します。
これを提出して利用の承認を受ければ、就労継続支援A型のサービスを受け就労することが可能になります。