就労継続支援A型の実地指導のチェックされるポイント

就労継続支援A型実地指導でスコア表など間違いやすいポイントについて解説しています

兵庫県西宮市で就労継続支援A型、B型などの障害福祉サービスに強いカミーユ行政書士事務所です。

当事務所では西宮市以外にも大阪府や神戸市、尼崎市、宝塚市、伊丹市、芦屋市等の障害福祉サービス指定申請も行っております。

今回は就労継続支援A型事業所の実地指導でチェックされるポイントについて解説をしていきます。

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就労継続支援A型事業所は、「適正にサービスを提供し請求業務を行っているか」自治体に、実地指導として定期的にチェックされます。

<実地指導の基本的なチェックポイント>

1 人員基準に関する事項:適正に利用者数を計算し従業員を配置できているか等

2 運営体制に関する事項:運営規程/重説や個別支援計画が適正に整備されているか等

3 報酬請求に関する事項:支援の実態に合わせて請求をしているか等

特にスコア表によって報酬単位が決まるようになっていますのでスコア表には要注意です。

以下、就労継続支援A型の実地指導での間違いやすいポイントについて解説をしていきます。

目次

スコア表の記載間違いに注意!

スコア表に関する認識違いによる記載ミスには注意しましょう。

就労継続支援A型事業所の基本報酬は令和3年の報酬改定によりスコア表で評価されるようになったので、実地指導ではスコア表の得点が適正化どうか入念にチェックされる傾向にあります。

具体的には下記のような点についてです。

<「スコア(III)多様な働き方」の間違えやすいポイント>

・短時間勤務の規則が「介護・育休の短時間規則」になっている

・時差出勤の実績が、所定の労働時間を満たしていない

・在宅勤務の規則が詳細ではない

<「スコア(IV)支援力向上」の間違えやすいポイント>

・研修に半数以上参加した記録がない

・「先進的事業者」の視察/受入をしていないのに2ポイント取得している

・商談会等の参加を単なる営業と考えている

参考:厚生労働省スコア表通知

就労継続支援A型のスコア表に関する厚生労働省の留意事項(令和3年3月30日)が公表されているので、よく読んで根拠資料を揃えることをお勧めいたします。

もし不適切にスコアを取得していた場合、全体のスコアの単位が変われば基本報酬も変わり、最悪は返金の可能性があります。

スコアの得点を高めるには時間がかかるので、常に次年度のスコアを想定して対策を立てましょう。

施設外就労の書類の不備をなくす

就労継続支援A型の事業所では、より高い賃金を払い、就労支援事業の会計を黒字にするために単価の高い施設外就労を実施することが多いですが、施設外就労の実施に関しての書類不備を厳しくみられる傾向にあります

<施設外就労の間違えやすいポイント>

・1日の利用者数を事業所本体と施設外と分けていない
・1日の従業員の配置を事業所本体と施設外と、時間数を表記して分けていない
・個別支援計画に施設外就労の効果の文言を入れていない
・施設外就労の規程を作っていない

施設外就労を実施すれば、定員を変更せずに1日の利用者数を増やすこともできるので就労継続支援A型の収益の一つになります。

施設外就労の人員配置基準が適正化どうかは1日単位で確認するので、毎日の記録が大事になってきます。

特に個別支援計画への未記載は多くみられますので未記載がないか注意していきましょう。

虐待・身体拘束適正化委員会の書類を整備する

就労継続支援A型の事業所は令和4年度より虐待と身体拘束適正化の委員会の設置が義務化されたのに伴い、就労継続支援A型の実地指導でも委員会の開催の実態や体制の整備については入念にチェックされる傾向になります。

<虐待/身体拘束適正化の委員会のための書類について>

・委員会の方針

・委員会の組織体制図

・委員会の記録

・委員会の通知文書

令和4年度から義務化されたにもかかわらず、運営規程等も変更していない事業所があるのでご注意ください。

また身体拘束適正化の未実施は令和5年度より減算の対象になるので要注意です。

委員会の構成などは常に最新の法令に準拠する形で適正にしていきましょう。

なお、虐待・身体拘束適正化委員会については下記に記載をさせて頂きます。

就労継続支援A型事業所や就労継続B型事業所、共同生活援助(GH)などの障害福祉事業所で、利用者さんへの身体拘束等の廃止や適正化の取り組みが適正に実施されていない場合に、令和5年度より「身体拘束廃止未実施減算」が適用されます。

<減算要件「廃止や適正化の取り組みが適正に実施されていない」とは?>

1 身体拘束に関する記録が適正に行われていない

2 身体拘束適正化の委員会が開催されていない(=年に1度以上も開催されていない)

3 身体拘束に関する指針の整備がされていない

4 身体拘束に関する研修が実施されていない(=年に1回も開催されていない)

<「身体拘束廃止未実施減算」の減算の単位について>

適正に実施されていない事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間、利用者全員の単位数から5単位を減算します。

※複数の減算が適用されても5単位は引かれます。

加算の取得漏れに注意しよう

就労継続支援A型の事業所で日常的に利用し活用の機会が多い加算がありますが、加算を取得するための根拠資料を残しておかないと不正請求と見做されるのでご注意ください。

<就労継続支援A型の加算の取得のチェックポイントについて>

・「送迎加算」は誰が実施したか書いておき、サビ管/管理者は実施できません

・「送迎加算」で自宅以外に送迎する場合は同意書が必要です

・「欠席時対応加算」は相談支援/連絡調整の内容を明記いたしましょう

・「処遇改善加算」の記録の一部は公表いたしましょう

「送迎加算」や「欠席時対応加算」は殆どの就労継続支援A型で取得されていると思いますので、根拠資料の整備にご注意ください。

「処遇改善加算」の公表は職場改善の要件だけ明らかにしていれば十分とされます。

加算の書式を実地指導の時に提出するのに時間がかかる場合があるので、前もって整理しておけば安心です。

加算取得されやすい送迎加算については以下のようなところに注意しましょう。

「送迎加算」は簡単な届出をするだけで、すぐに加算算定することができます。

その気軽さゆえに、きちんと送迎運営していないと実地指導の時にトラブルになる可能性があります。

<運転者台帳をつける>

・免許証番号/有効期限/免許の種類/条件を記録する

・道路運送法施行規則第51条の16第1項の講習などの受講記録をする

・事故歴または道路交通法違反の状況をまとめる

・健康状態を把握する

特に送迎を担当する方の免許証の有効期限にはご注意ください。

もし更新をし忘れていた場合、送迎することが出来なくなってしまいます。

<交通事故記録をつける>

・事故の発生日時/場所/当事者を記録する

・事故の概要/原因を記録する

・再発防止対策を検討する

ほんの些細なことでも、事故などのトラブルがあれば記録してください。

送迎車がごまかしても、同乗する利用者さまが家族や行政などに通報した場合、厳しい監査の対象になってしまいます。

就労継続支援A型の実地指導のポイントは、義務化に伴う諸規定をできるだけ不備なく揃えることでしょう。

特に身体拘束適正化の未実施は減算の対象にもなるので早期の対策をお勧めいたします。

スコア表に関しても万全の準備が必要になってきます。

就労継続支援A型の事業を安定的に運営していくには実地指導を切り抜けることが大切ですのでご不明な点があればおっしゃって下さい。

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この記事を書いた人

カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士 井上卓也
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社を経て行政書士事務所を開業。300社以上の実績。趣味は週7日の筋トレ。

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