兵庫県西宮市で就労継続支援A、B型等の障害福祉サービスに強いカミーユ行政書士事務所です。
当事務所では西宮市以外にも大阪府や神戸市、尼崎市、宝塚市、伊丹市、芦屋市等の障害福祉サービス指定申請も行っております。
就労継続支援A,B型「施設外支援」の要件、注意点について解説をしていきます。
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「施設外支援」とはわかりやすく言えば実習に出すことで、事業所の施設外でも支援をしていたとみなされる制度です。
ただ似ている「施設外就労」と混同されやすく、書類整理の量も多いので、実地指導で注意されやすいポイントです。
就労継続支援A/B型事業所は基本的に事業所内で就労を支援いたしますが、事業所以外の施設外でも「施設外支援」と「施設外就労」というサービス提供を行うことができます。
施設外支援とは?
事業所外の企業等で実習を実施した場合、以下の1〜4を満たせば、1年間のうちに180日を限度に報酬を算定できます。
1:運営規程に位置付けられている
2:1週間ごとの個別支援計画において就労の効果が記されている
3:施設外支援の実習先から聞き取りを行なって日報が作成されている
4:緊急時の対応ができる
施設外支援は、施設外就労と同じように報酬対象とすることができますが、加算の対象となりません。
支援先は下記のようなものがあげられます。
・一般企業での実習
・他の就労継続A型で実習
・委託訓練先での実習
・在宅就労の場合
・トライアル雇用
施設外支援の注意点として施設外支援と事業所での利用を同日でおこなった場合は施設外支援として取り扱います。
施設外支援と施設外就労の比較
施設外支援と似た言葉で施設外就労というものがあります。
上記について表にして比較してみました。
施設外就労 | 施設外支援 | |
支援を行う職員 | 要(7.5:1 or 10:1) | 否 |
請負契約 | 要 | 否 |
報酬算定の対象となる支援の要件 | 配置基準の厳守 実績記録表への記載 | 利用者または事業受入事業者から状況の聞取りと日報の作成 事前に支援の内容について個別支援計画に位置づけされ、施設外支援内容について1週間ごとに必要な見直しが行われていること (支援により就労能力や工賃・賃金の向上、一般就労への移行が認められること) 緊急時の対応ができること 実績記録表へ記載 |
個別支援計画の位置づけ | 要 | 要 施設外支援内容について1週間ごとに必要な見直しが行われている必要がある |
緊急時の対応 | 要 | 要 |
運営規程の記載 | 要 | 要 |
提供期間 | 無 | 毎年4月1日から翌年3月31日のうち180日 |
その他 | 施設外就労者と同数の数を、事業所に新たに受入れ可能 | 利用者へは交通費や日当 契約書までは不要であるが書面で行うべき。この場合、日当や交通費程度の支払いでもよい。 |
提供期間は180日となっていますが延長することは可能です。
ただし職場適用訓練を受講する場合とトライアル雇用助成金を取得している場合に限ります。
また繰り返しになりますが、同日に「施設外支援」と本体事業所利用を実施した場合は、「施設外支援」として扱うことになりますので間違えないようにしましょう。
「施設外支援」は定期的な自治体のチェックもなく、事業所様の方で気をつけて書類管理をする必要があります。実地指導の時にも「施設外支援」の書類の不備は、よく指摘される事項です。
トライアル雇用について
障害者がトライアル雇用助成金などを活用して障害者トライアル雇用または障害者短時間トライアル雇用を実施する場合、以下の条件を満たせば施設外支援となります。
・施設外支援の運営規定への記載
・利用者又は受け入れ先企業からのヒアリングによる日報への記載
・施設支援の提供期間中に緊急対応ができること
・施設外のサービス提供を含めた個別支援計画を3カ月ごとに作成、見直しを行うことで就労能力や工賃の向上。一般就労への移行に資すると認められること
・施設外サービス提供中は1週間ごとに計画を見直し更新すること
トライアル雇用については施設外支援の要件を満たしている場合、基本報酬は算定可能となります(就労継続支援A型の利用者はトライアル雇用不可)。
事前に支援の内容について個別支援計画を3カ月毎に作成し(施設外サービス提供時は1週間毎)、かつ見直し行うをことで、就労能力や工賃・賃金の向上、トライアル雇用終了後に一般就労との移行に資すると認められること)
施設外支援のトライアル雇用時の個別支援計画計画の留意点について下記に記載をします。
①計画の作成と見直し時
事業所、本人及び関係者が参加の上、協議を行い、必要に応じてハローワークや受入れ企業から意見聴取を行う。
②計画の見直し時
上記の2点の時期について注意していきましょう。
個別支援計画を作成しよう
就労継続支援A型事業所B型事業所で「施設外支援」を実地する際、通常の半年よりも頻度の多い1週間ごとに個別支援計画を見直し、当該の利用者さんに「施設外支援」が有効かチェックしなくてはいけません。
<個別支援計画を見直す際の注意点>
・「施設外支援」により就労能力や一般就労への移行への効果があると記す
・今後の取得賃金や工賃の額を記して達成度を評価する
・「1週間」ごとではあるが、「施設外支援」をしない週は作成しなくていい
「施設外支援」の対象者の個別支援計画は、その実習の効果を明記する必要があるので、他の通常の利用者さんと大きく違うことにご注意ください。
1週間ごとに更新するので一般的な紋切り型のフレーズが使えず、利用者さんの実情を分析して細かい内容を書いていく必要があります。
1週間ごとに個別支援計画を交付することも必要なので、利用者さんから印鑑等を忘れずにもらいましょう。
就労継続支援A型/B型の「施設外支援」は、事業所スタッフの手を離れても基本報酬を算定できるのですから、日毎の日報で実習先の様子を分析することは大切なポイントです。
<日報を作成する際の注意点>
・先に作っている個別支援計画の評価ポイントに即して日々の様子を記す
・次に作る個別支援計画の内容が、日報の記述の結果となるよう因果関係を作る
「施設外支援」の日報作成のポイントは、とにかく1週間ごとに更新する個別支援計画の作成内容に関連づけることです。
そして日報の内容は、「施設外支援」の実習に行く利用者に成果が伺えると意識して作成いたしましょう。
もし「施設外支援」を実施する日々で、実習の利用者さんに就労向上の成果が伺えない場合は早期に「施設が支援」の中止を検討してください。
施設外支援の注意点
就労継続支援A型B型で「施設外支援」という実習を利用者さんに実施することで、通常の就労支援より一般就労への移行が早く、就労能力も向上するチャンスがあり、一般就労へ繋げていく体制づくりをすることができます。
下記のようなケースでは施設外支援は行ってもよいでしょう。
・実習先を使って一般就労へつなげて「就労移行支援体制加算」を取得する
・実習先を使って就労定着支援のサービスで基本報酬単位を算定する
<「施設外支援」の注意点>
・毎日、日報を作成する業務負担がある
・1週間ごとに個別支援計画を見直すなど、サービス管理責任者への負担がある
通常の就労継続支援のサービス支援を受けて就労するより、「施設外支援」を使い実習から入れば一般就労へのハードルは下がります。
ただ利用者が事業所にいなくても報酬算定できるわけですから、その分事務的な負担は多くなり、特にサービス管理責任者は負担が重くなるでしょう。
いかがでしたか?
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